評 価
File No.
2952
製作年 / 公開日
2018年 / 2019年02月22日
製 作 国
日 本
監 督
大森 立嗣
上 映 時 間
108分
公開時コピー
それくらい、愛してる。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
最初に観たメディア
Theater
Television
Video
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト
安田 顕
[as 宮川サトシ]
倍賞 美津子
[as 宮川明子]
松下 奈緒
[as 真里]
村上 淳
[as 宮川祐一]
石橋 蓮司
[as 宮川利明]
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ
2012年・春。最愛の母・
明子
の火葬場で母の遺骨の前にたたずむ
宮川サトシ
は、小さい母のかけらをポケットにそっとしまう。30代後半、漫画家になる目標がありながら、知人と営む塾の講師として働いていたサトシは、自分の母と永遠に別れる日が来るなんて、思ってもみなかった。子供の頃から泣き虫で病気がちで、お調子モノだったサトシは、いつも明るく、優しく、パワフルな母に救われてきたのだった。
その母が突然がんを宣告されたのは2年前の春のことだった。それまで母が自分にかけてくれていた言葉を今度はサトシがかける番になる。「俺がいるから大丈夫だよ、お袋は必ず助かるから」。サトシは母のためにがむしゃらになり、家族も戸惑いながらも見守るが、がんは進行していってしまう。弱気になりがちなサトシを笑顔にさせてくれたのは、母が病になってからよく家に来てくれるようになったサトシの恋人・
真里
だった。
2011年・秋。それまでの自宅治療から入院に切り替わる事になった母は、それでも気丈にふるまい、サトシと真里の結婚を後押ししてくれる。そして、2012年・春。ついに、その時が来てしまった。病室に駆け付けたサトシは母の命がゆっくり消えゆく前に、「お袋・・・・・愛しとるよ。」と伝える。そして家族に見守られ母は安らかに旅立っていった。一家の大黒柱の存在だった母と別れて、すっかり生きる気力を失っていたサトシ、そして父・
利明
と兄・
祐一
。だが、久しぶりに人気のない湖で男たち3人だけで集まった時、兄が熱い想いをぶつけ、3人はようやく新たなスタートをきる気持ちになれたのだった。
2012年・秋。サトシは念願だった漫画家としてデビューを果たし、結婚した真里と東京に引っ越していた。そして引っ越しがまだ落ち着いていない、ある日、一本の電話がかかってくる。それは、サトシの人生を大きく変える、母からの“驚くべき贈り物”だった・・・・・。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント
このタイトルに主演が安田顕、監督が大森立嗣とあって、イヤ〜な予感はしていたのだが・・・・・どうやら不安が的中してしまったようだ。安田顕演じる主人公のサトシの、あまりに度を超えたマザコンぶりには呆れかえってしまう。いい年して人前やまして恋人の前で平気で泣きわめいたりなんて普通はできないだろう。きっと、母親が出来た人物だったがために逆にいつまでも大人として独り立ちできない、いわゆる“成熟できない大人”なのだろう。人が死ぬのは悲しいことに違いはないが、だからと言って決して不幸ばかりじゃない。親が自分より先に逝くのは誰しも経験する当たり前の出来事であって、本当に不幸なのは親より先に子が亡くなることだ。
そんな自然の摂理を受け入れられず、母親本人の意志にはお構いなしに、無理矢理生にしがみつかせようとするサトシの言動は、言っちゃ悪いが単なる自己満足で、それを傍で見せられる人間にとっては迷惑以外の何物でもない。まして、本人の母親・明子にとって、死へと向かう辛さと闘いながらも、それを表に出して発散することも出来ず、息子のワガママに付き合わなければならないとは、サトシはどこまで親不孝なんだろう、と明子に同情したくなる。
そんなサトシに、松下奈緒演じる真里のような出来すぎとも言えるほどのまともな彼女がいることが信じ難い(半分やっかみだけど)。そして、真里だけじゃなくて、サトシの周囲の人たちはおしなべてまともな人間ばかりだ。サトシと違って家庭を築き、親から完全に独立して生きている兄の祐一、それに妻を亡くして半身をそがれた思いからだらしない面を見せるものの、立派な父親の利明。そんな人たちに囲まれているがために、なおさらサトシのだらしなさが際立ってしまったようだ。