評     価  

 
       
File No. 2956  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年03月01日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   山本 透  
       
上 映 時 間   106分  
       
公開時コピー   運命の人が僕じゃなくても、
僕はあなたを守りたい。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   高橋 一生 [as 平野進]
川口 春奈 [as 北村志織]
浜野 謙太 [as 倉]
中村 優子 [as 祖父江]
川栄 李奈 [as 香穂]
古舘 佑太郎 [as 森秋真一]
ミッキー・カーチス [as 権藤]
 
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あ ら す じ    旅行代理店に勤務する北村志織は、引っ越してきたばかりのアパートの部屋で、ある日“シラノ”と名乗る人物の不思議な声に話しかけられる。志織の聞き間違いで実は“ヒラノ”だった、エアコンのダクトから聞こえてくるその声の主は、1年後の未来から話しかけていると言い、志織にあることを頼んでくる。それは、隣人である小説家志望の青年・平野進=現在の自分を尾行して写真撮影するという奇妙な依頼だった。
 志織は“シラノ”に理由を尋ねてみてたが、彼は「後日必ず説明するから」と、頑なに理由を話すことを拒む。仕方なく、次の日から平野を尾行し始める志織。そして、何日か尾行を続けてみたものの、平野の毎日には特に変わったことは見受けられなかった。そこで、志織は再度理由を尋ねてみたところ、声の主は「明日の尾行が終わったら必ず説明する」と約束するのだった。
 そして翌日。風邪を引いてしまった志織は、高熱があったにもかかわらず平野を尾行するが、帰宅すると鍵が開いていて部屋の中が荒らされていた。警察の話により部屋に空き巣が入ったことがわかり、志織は“未来からの依頼”のおかげで結果的に空き巣と遭遇せずに済んだことを知るのだった。
 この不思議な出来事の真相を探るために、志織は平野に相談をもちかける。志織の話を聞いた平野は、タイムリープと時間軸や空間のずれに疑問を抱く。協力して真実を突き止めようとする2人は、急速に惹かれ合って行くが、その一方で平野はタイムパラドックスによって1年後に志織は消される運命にあるのではないかという仮説にたどり着く・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    このところ、コミック原作の高校生ものにウンザリ気味だったから、久しぶりにアラサー世代の大人の恋愛ものが新鮮に思えた。そして、川口春奈の主演作も『一週間フレンズ。』以来だから、2年以上もご無沙汰だったことになる。そのせいか、久しぶりに観て改めて川口春奈の美人度が半端じゃないことを思い知らされた。“アラサー世代”なんて書いたけど、キャリアが結構長い気がしていたからてっきり20代後半だと思っていた川口春奈が、実はまだ23歳というのは意外だった。で、ますます彼女が好きになった(笑)。
 『君の名は。』や『orange オレンジ』『僕は明日、昨日のきみとデートする』などと同様タイムリープを扱った作品で、どうやら時間をモチーフにしたこの手の作品は、恋愛物と相性がいいようだ。ただ、平野が劇中で言うように諸説ある中で、パラレル・ワールドが形成されるならば何らドラマ性もないためか、無理矢理時間の自己修正の方向に持って行こうとしているきらいはある。
 原作を読んだわけじゃないから、映画が川口春奈演じる志織側の視線で描かれているため、自然と彼女側に立って展開を見守ることになるのだが・・・・・その立場ゆえかもしれないが、高橋一生演じる平野の煮え切らなさや消極的な性格には、正直イラッとさせられた。志織のかつての恋人・森秋が現れただけで簡単に志織を諦めてしまうとは、「貴様、それでも男か!?お前が志織を思う気持ちはその程度の安っぽいものなのか!?」とどやしつけたくなる。声の主は「平野」と名乗った上で、「僕を尾行して欲しい」とまで言っているんだから、“シラノ”=平野しかあり得ないだろう。仮にそうじゃないとしても、志織が好きなら自分が“シラノ”になりきってどんな手を使ってでも彼女を助ける、くらいは思うはずだろう。そんな平野の性格のせいで、実は平野はそれほど志織が好きじゃない、という印象を受けてしまったのだ。
 にもかかわらず、評価に星9個も付けてしまったのは、クドいようだが川口春奈の神懸かり的な美しさで、もしも私が平野だったら、たとえ“シラノ”が森秋だったとしても、自分が横からしゃしゃり出てでも志織を助けようとしたのは間違いない。もしも志織役が、例えば(あくまで仮定である)水原希子だったりしたら、喜んで彼女が消えてしまうのを見守ったことだろう(笑)。それほど、この作品における主演女優の占める比率が高かったということだ。