評     価  

 
       
File No. 2958  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2019年03月01日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   クリスチャン・リヴァーズ  
       
上 映 時 間   129分  
       
公開時コピー   ロンドンを滅ぼせ、喰われる前に。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ヘラ・ヒルマー [as ヘスター・ショウ]
ロバート・シーアン [as トム・ナッツワーシー]
ヒューゴ・ウィーヴィング [as サディアス・ヴァレンタイン]
ジヘ [as アナ・ファン]
ローナン・ラフテリー [as ベヴィス・ポッド]
レイラ・ジョージ [as キャサリン・ヴァレンタイン]
パトリック・マラハイド [as マグナス・クローム]
カレン・ピストリアス [as パンドラ・ショウ]
スティーヴン・ラング [as シュライク]
コリン・サーモン [as チュドライ・ポメロイ]
マーク・ミッチソン [as ヴァンブレイス]
 
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あ ら す じ    たった60分で文明を荒廃させた最終戦争後の世界。残された人類は空や海、そして地を這う車輪の上に移動型の都市を創り出し、他の小さな都市を“捕食”することで資源や労働力を奪い生活していた。“都市が都市を喰う”、弱肉強食の世界へと姿を変えたこの地上は、巨大移動都市“ロンドン”によって支配されようとしていた。
 他の都市を次々に飲み込み成長を続けるロンドンを前に、小さな都市と人々が逃げるようにして絶望的な日々を送る中、ロンドンに飲み込まれた小都市にいた少女、ヘスター・ショウ。彼女はロンドンに取り込まれるや否や、ロンドンを実質的に支配するサディアス・ヴァレンタインの命を狙う。ヴァレンタインに致命傷を与えられずに、彼女は廃棄物と共に都市の外へと排出されてしまい、一部始終を目撃していた歴史家見習いのトム・ナッツワーシーも、ヴァレンタインによって排出口へ突き落とされてしまう。
 行きがかり上、行動を共にすることになったヘスターとトム。ヘスターの母・パンドラ・ショウがヴァレンタインに殺されたことや、ロンドンのやり方を目の当たりにするにつれ、次第にヘスターと共に反ロンドンへと傾いていくトム。2人を助けてくれたお尋ね者のアナ・ファンや、幼かったヘスターを育て上げた復活者・シュライクをも巻き込んで、ロンドンの圧政に終止符を打つべく、壮大な戦いが幕を開ける・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    当初は地元のTOHOシネマズ八千代緑が丘でもチラシが置いてあって予告編も流れていたのに、ある時を境にパッタリと予告編を観なくなり、蓋を開けてみれば千葉県内のTOHOシネマズでの上映は流山おおたかの森の1館のみ。仕方ないから、久しぶりに流山まで足を伸ばしたのだが、これほどの大作の割には小規模な公開には正直不満を感じる。もともとは昨年暮れに日米同時上映の予定だったのが、なぜか公開を先送りにしたという経緯もあるようで、おそらくは東宝も本国でコケたのを目の当たりにして公開する劇場を当初の予定より大幅に削減したのかと思われる。しかも、同日にはオスカー作品賞を受賞した『グリーンブック』も公開されるとあって、作品の興行成績は期待できなさそうだ。その割には、観てみたら予想を遥かに上回る面白さで、もう一度観てみたいが二度目の鑑賞のために流山まで行くのは面倒で、やはり公開劇場が少ないのが残念で仕方ない。
 『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『ホビット』シリーズにも見られた、独特な世界観がたまらない。戦争後の荒廃した人気のない大地で、小さな移動都市がそれよりも大きな都市に捕食される弱肉強食の世界、そんな中で圧倒的な巨大移動都市ロンドンの迫力。そして、主人公・ヘスターの顔半分をスカーフで隠したビジュアルはミステリアスな雰囲気が感じられて抜群に良い。そんな彼女とは逆に珍しく顔を覆うことのないヒューゴ・ウィーヴィングの堂に入った悪役ぶりはさすがで、彼の最期がロンドンに轢かれて・・・・・というのは皮肉が利いていて、人が死ぬシーンでは不謹慎なのだが思わずニンマリしてしまった。
 正直美人とは言いかねるが、ジヘ演じるアナ・ファンも好感度の高いキャラクターだ。その一方では、サディアスの娘・キャサリンや、トムが突き落とされるのを目撃してキャサリンと行動を共にするベヴィスの2人は、もっとヘスターらの行動を内部から支援するような活躍を見せるのかと思いきや、何のために登場したのかと思えるほど、存在感が薄かったのは残念。
 原題のモータル・エンジン(=MORTAL ENGINES)だが、最初はイモータル(=IMMORTAL)の間違いじゃ?なんて思ってしまった。そもそも、エンジンが“MORTAL”なんて当たり前の話で敢えて言うまでもない。せっかく巨大都市が移動するなんて荒唐無稽の設定ししたんだから、その動力も例えば太陽電池駆動で“IMMORTAL”にした方が、インパクトもより大きかったと思うのだが。