評     価  

 
       
File No. 2971  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年03月29日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ティム・バートン  
       
上 映 時 間   112分  
       
公開時コピー   「羽ばたけ!」
大きな耳を
勇気の羽に変えて
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   コリン・ファレル [as ホルト・ファリア]
マイケル・キートン [as V.A.ヴァンデヴァー]
ダニー・デヴィート [as マックス・メディチ]
エヴァ・グリーン [as コレット・マーチャント]
アラン・アーキン [as J.グリフィン・レミントン]
ニコ・パーカー [as ミリー・ファリア]
フィンリー・ホビンズ [as ジョー・ファリア]
ロシャン・セス [as プラメッシュ・シンフ]
ラース・エイディンガー [as ハンス・ブルーゲルベッカー]
デオビア・オパレイ [as ロンゴ]
ジョセフ・ガット [as ネイルズ・スケリング]
 
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あ ら す じ    マックス・メディチが率いるサーカス団と共に興行地を旅をしていたミリージョーのもとに、父親ホルト・ファリアが戦地から戻って来る。母親はホルトの留守中に流行り病で亡くなってしまい、待ちわびていた父親の帰還だった。ホルトはスター曲馬師だったが、戦地で片腕を失っており、また経営の苦しいサーカス団は馬を売ってしまっていた。曲馬をできないホルトに与えられた仕事は、最近買われたゾウの世話だった。そして間もなくそのゾウは子供を産む。
 子ゾウは異様に耳が大きい奇形で、メディチは怒り、母親ゾウを購入先に引き取らせてしまう。悲しみに暮れる子ゾウをミリーとジョーが世話している間に、あることをすると子ゾウが飛ぶことを発見する。空飛ぶゾウはダンボと名付けられ、一躍サーカス団の大スターになる。その噂を聞きつけた、大レジャーランドを経営する資産家ヴァンデヴァーV.A.ヴァンデヴァーはメディチに経営パートナーになることを持ち掛け、サーカス団ごとレジャーランドに引き入れられる。サーカス団員達はそこで、これまでより格段にいい暮らしを与えられるはずだったが、ヴァンデヴァーは金儲けしか考えない男だった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ティム・バートンがファンタジー作品である『ダンボ』のメガホンを執るというのが、正直「???」だったのだが、観てみると思ったほどバートン色がうかがわれない作品ではあった。とは言うものの、いつものディズニー作品を観た後の心が和むようなあの感覚はなく、子ども向けとしてはいかがかな、というのが正直な感想だ。
 そう思えた最たる理由は、おそらくはマイケル・キートンが演じる曲者ヴァンデヴァーの存在にあるのではないかな?金儲け至上主義のヴァンデヴァーは、まさに大人の世界を象徴するような人物で、彼が銀行から融資を受けるためにダンボを飛ばせようとするとは、そこまで現実的に描く必要があったかが疑問。ただ単に「金儲」けをしたかったで充分だろう。
 そして、そんなヴァンデヴァーにまんまと乗せられてしまう、ダニー・デヴィート演じるメディチもまた大人の世界を象徴するような人物だが、彼の場合はいつも根っからの悪人じゃなく、どこかコミカルで憎めないところがあるから、大目に見よう。それよりも、彼がまだ健在だったことがわかったことの方が収穫だったと言える。
 この作品が今ひとつに思えた理由はまだあって、一言で言えば「可愛くない」に尽きる。肝心のダンボの造形が、肌は象とは思えないようなピカピカのテカテカだし、顔も上下から若干押しつぶされたような感じで、掲示板では「ダンボが可愛い」という声が大勢を占めているのを承知の上で、「全然可愛くない・・・・・ってか、象っぽくない」と感じてしまった。そして、コリン・ファレル扮するホルトの娘ミリー役のニコ・パーカーも、女優(タンディ・ニュートンなんて知らないよ)の娘だか何だか知らないが、可愛くない。
 その代わりと言っちゃなんだけど、ティム・バートン作品の常連とも言えるエヴァ・グリーンの存在がひと際目を惹き、私のようなオジサンにとってはこの作品における欠くことのできない清涼剤的な存在だった。特に、ブランコ乗りのコスチュームは気に入った。
 ストーリーは突っ込み所が満載で、いちいち揚げ足を取るような真似をするつもりはないが、どう観ても人間の言葉が理解できるとしか思えないフシがあったりして、結局最後まで手放しで作品にのめり込むことができなかった。