評     価  

 
       
File No. 2987  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年04月19日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   佐藤 信介  
       
上 映 時 間   134分  
       
公開時コピー   すべて、
奪還する。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   山崎 賢人 [as 信]
吉沢 亮 [as エイ政/漂]
長澤 まさみ [as 楊端和]
橋本 環奈 [as 河了貂]
本郷 奏多 [as 成キョウ]
満島 真之介 [as 壁]
阿部 進之介 [as バジオウ]
深水 元基 [as 朱凶]
六平 直政 [as 里典]
一ノ瀬 ワタル [as タジフ]
阿見201 [as ランカイ]
高嶋 政宏 [as 昌文君]
要 潤 [as 騰]
橋本 じゅん [as ムタ]
坂口 拓 [as 左慈]
宇梶 剛士 [as 魏興]
加藤 雅也 [as 肆氏]
石橋 蓮司 [as 竭氏]
大沢 たかお [as 王騎]
 
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あ ら す じ    紀元前 245 年、春秋戦国時代、中華・西方の国「秦」。戦災孤児で奴隷とし里典に仕える2人の少年は、いつか天下の大将軍になることを夢見て日々剣術の鍛練を積んでいた。ところがある日、漂は王都の大臣である昌文君によって召し上げられ王宮へ。信と漂の2人は別の道を歩むことになる。
 王宮では王の弟・成キョウによるクーデターが勃発し、戦いの最中に致命傷を負った漂は、何とか信のいる納屋にたどり着く。「お前に頼みたいことがある」血まみれの漂の手に握られていたのは、ある丘に建つ小屋を示す地図だった。「今すぐそこに行け! お前が羽ばたけば、俺もそこにいる。信! 俺を天下に連れて行ってくれ・・・・・。」そう言い残して漂は力尽きてしまう。
 漂が手にしていた剣とその地図を握りしめ、信は走り出しす。ところが、たどり着いた先で信の目に飛び込んできたのは、なんと冷静にたたずむ漂の姿だった。「お前が信か。」そこに居たのは、玉座を奪われ、王都を追われた秦の若き王・エイ政だった。エイ政に瓜二つの漂は、彼の身代わりとして命を落としたのだった。漂が身代わりになり死んだことを許せない信だったが、漂の願いを叶えるためにエイ政を助けることを決意する。
 2人は道中で知り合った河了貂の案内で包囲網を脱出し、山の民の領域の境界にある隠れ家で、昌文君の一団と合流する。そして、数の上で圧倒的に不利な状態にあるエイ政は、今は関係が途絶えている山の民と新たな同盟を結んでクーデーターに対抗するという奇策を計画する。山の民の王・楊端和との会談を実現させたエイ政は、クーデーターを起こした王弟派を打倒するため協力すると約束を取り付けるのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    劇場で嫌というほど予告編を見せられて、主演が山崎賢人とあって観る前からすでにお腹いっぱい、劇場で観るのも見送ろうと思っていたのだが、幸か不幸かTOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートを作ってしまったために劇場で鑑賞することとなった。ところが、観てみるとこれが予想外に面白く、まさかの再度劇場鑑賞をする気満々になってしまった。もっとも、再度劇場で観たいと思った理由の大半は、あの女優にあるのだけど。
 その女優については後に譲るとして、まずは準主役の吉沢亮。今まで彼がいいと思ったことはなかったが、この作品のエイ政と漂が思った以上に適役で、ちょっと株が上がった。この作品を観て気づいたのだが、吉沢亮ってあのメイクだと松田翔太に似てる気がする。漂を吉澤、そしてエイ政を松田翔太が演じるなんてのも面白かったんじゃないかな?
 そして、何と言っても長澤まさみがあまりにカッコ良すぎる!彼女の出演すら知らなかったため、山の民の王が仮面を外したときの衝撃と言ったらもう。あの凜々しさと周囲を圧倒するほどの存在感、そして戦場では鬼神のごとく敵をなぎ倒していく彼女は、おそらく今まで観た役柄の中でも最高のハマリ役なのでは?私にとっては、彼女を観るだけでもこの作品を観た価値は充分にあったというものだ。そして、先に書いた“再度劇場で観たいと思った理由の大半”とは、言うまでもなく長澤まさみにある。
 大沢たかお演じる王騎の周囲を圧倒する異様なまでのオーラにも圧倒された。能面を思わせる常に薄ら笑いを浮かべた表情がかえって不気味で、彼を前にするとさすがに吉沢亮も「まだ青い!」と思わずにはいられない。迫力と言えば、成キョウ配下の凄腕の剣豪・左慈を演じた坂口拓もまた凄い。下手な役者が演じたならば、“凄腕”ぶりを台無しにしかねないところだ。
 キャスティングで最も気になったのは巨漢の処刑人・ランカイで、正直「こんな馬鹿デカい人間がいるのか?フルCGじゃないの?」と思った。が、オフィシャルHPのキャストを見ると、阿見201という初めて目にする人物が演じていて、この201というのはどうやら彼の身長をそのまま芸名にしたようだ。身長201cmとは・・・・・なるほど、デカいわけだ。ただ、映像を観ると3m近くはあるようにも見えて、その辺りはやはりCGで加工されているのだろうと思う。
 『銀魂』もそうだが、この作品でも緊張と緩和の“緩和”の担当でいいところを持って行くなぁ、と思わせたのは橋本環奈。この手の役柄が似合うのは、可愛らしいルックスのみではなく、確かな演技力の裏付けがあってのことだろう。
 作品に関して言えば、邦画でもこういった壮大なスケールの歴史絵巻を作れるのだな、と感心。ちょっと見『レッドクリフ』を思わせるようなスケールだが、実は戦闘は部分的な限定映像になっていて、それを悟られないように上手く誤魔化しているなぁ、という印象は受けるけど(笑)。原作を読んだことはないから、主人公・信を演じた山崎賢人には何ら違和感を覚えることもなく、彼にしては上出来の熱演だったと思う。