評     価  

 
       
File No. 2992  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年05月03日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   英 勉  
       
上 映 時 間   119分  
       
公開時コピー   全生徒、強制参加。
生き残るのは、誰だ?
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   浜辺 美波 [as 蛇喰夢子]
高杉 真宙 [as 鈴井涼太]
宮沢 氷魚 [as 村雨天音]
福原 遥 [as 歩火樹絵里]
伊藤 万理華 [as 犬八十夢]
松田 るか [as 皇伊月]
岡本 夏美 [as 西洞院百合子]
柳 美稀 [as 生志摩妄]
松村 沙友理 [as 夢見弖ユメミ]
小野寺 晃良 [as 新渡戸九]
池田 エライザ [as 桃喰綺羅莉]
中村 ゆりか [as 五十嵐清華]
三戸 なつめ [as 黄泉月るな]
矢本 悠馬 [as 木渡潤]
森川 葵 [as 早乙女芽亜里]
 
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あ ら す じ    ギャンブルの強さによって階級が決められるという、超名門学園・私立百花王学園の転校生、2年華組・蛇喰夢子は、生徒会長・桃喰綺羅莉とのギャンブルを心待ちにしていた。2人の勝負の期待が高まる中、学園内では“非ギャンブル、生徒会への不服従”を掲げる白装束集団・ヴィレッジが生徒会と対立していた。組織を主宰する村雨天音は、過去に綺羅莉にギャンブルで打ち勝ったことのある伝説の人物であった。
 ヴィレッジ解体並びに夢子潰しを企む生徒会は、全校生徒に2人1組で強制参加させ、不参加者を即刻退学の刑に処すギャンブルイベント「生徒代表指名選挙」の開催を宣言する。生徒代表に選ばれれば活動資金3億円と、自分の人生を望み通りに決められる「人生計画表・白」が与えられるらしい。非ギャンブルの考えを貫く村雨が沈黙を守る中、村雨の部下である歩火樹絵里は組織を守るためにゲームに参戦する。夢子は小心者の同級生・鈴井涼太と、夢子と共に生徒会に立ち向かってきた早乙女芽亜里もかつての対戦相手・木渡潤とそれぞれタッグを組み、“学園史上最大のギャンブルトーナメント”に挑むのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    千葉市内のシネコンで初日舞台挨拶があったのを知らなかったのだが、偶然友人から「行かないか?」との嬉しいお誘いがあり、一も二もなく誘いに乗せていただいた。浜辺美波、池田エライザ、森川葵、高杉真宙らが登壇する舞台挨拶で、しかも嬉しいことにネタバレOKな上映終了後の舞台挨拶だった。そして、この『賭ケグルイ』と言う作品、タイトルに“映画”とあることからも察しが付くかも知れないが(私は全然考えていなかったけど)TVですでにドラマとしてOAされているものの劇場版。私はそれすらも知らずに、ただ浜辺美波が主演することと、池田エライザが共演していることくらいの予備知識で劇場に臨んだ。
 舞台挨拶で感じたのが、浜辺美波は思ったよりも背が低くなく、逆に池田エライザは思ったほど背が高くなかったこと。もっとも、当然のことながら私の視線は登壇者の顔にしか行かないから、彼女らが何を履いていたかまではわからず、ヒールの高さのおかげで実際の身長とは違う印象を受けたのかも知れない。そして、登壇した面々を見ながら、以前の『女子ーズ』同様にいつか「実は今では共演を実現することが不可能なくらい凄いキャスティングだった」なんて思う日が来るのかなぁ、なんて考えていた。ただ、これは映画の内容にも全く関係ない話だが、舞台挨拶が行われた京成ローザの音響が悪く、登壇者の話が若干聞き取れなかったのは非常に残念だった。
 『Saki 咲』以来注目してきた浜辺美波の凄さは全く色あせることがなく、この作品でも“浜辺美波演じる蛇喰夢子”ではなく、彼女自身が蛇喰夢子そのもので、ギャンブルで見せる恍惚の表情がたまらなく魅力的だ。そして、この作品に限っては主役の彼女よりも目立っていたかもしれない、歩火樹絵里を演じた福原遥の怪演。一方で、矢本悠馬演じる木渡潤のテンションの高さは浮いていたような気も・・・・・。そして、今までは思いもしなかったが、この作品を観て高杉真宙って俳優、イメージが一昔前の小池徹平に完全にダブるのだ。今でも、鈴井に絡む映画のワンシーンを思い出そうとすると、真っ先に小池徹平の顔が浮かんできてしまう。
 この作品のメガホンを執った英勉監督だが、『ハンサム★スーツ』を筆頭に今まで面白いと思って観てきた彼の作品とは、若干毛色が違うように思える。また、演じる個々の俳優の技量には不満はないものの、彼らが皆実力を発揮し過ぎていて、全体としてのまとまりを欠いているんじゃないか、というのが第一印象だ。また、内容はギャンブルと言うよりも、まるで『ライアーゲーム』を観ていたかのようで、特にクライマックスで繰り広げられるのは決してイチかバチかの博打ではなく、明らかに頭脳戦だった。もっとも、個人的にはそっちの方が好みなのだけど。