評     価  

 
       
File No. 2997  
       
製作年 / 公開日   2017年 / 2019年05月17日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ジェフリー・ナックマノフ  
       
上 映 時 間   107分  
       
公開時コピー   暴走が、止まらない
愛する家族を守るため、科学者の戦いが今、始まる!
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   キアヌ・リーヴス [as ウィル・フォスター]
アリス・イヴ [as モナ・フォスター]
トーマス・ミドルディッチ [as エド・ウィットル]
ジョン・オーティス [as ジョーンズ]
エムジェイ・アンソニー [as マット・フォスター]
エミリー・アリン・リンド [as ソフィ・フォスター]
アリア・リリック・リーブ [as ゾーイ・フォスター]
ニャシャ・ハテンディ [as スコット]
アンバー・リヴェラ [as マーガレット]
 
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あ ら す じ    プエルトリコのある研究施設に、死亡した軍曹が運ばれてきて、科学者のウィル・フォスターは助手のエド・ウィットルたちと処置を始める。それは被験体の脳の内部をデータ化して取りこむ作業で、取り込まれたデータは345型というロボットに送られる。するとロボットは被検体のクローンとして蘇るが、自分の体を見た軍曹のクローンロボットはパニックに陥り、自分の体を壊してしまい、実験は失敗に終わった。
 そんな中週末にウィルは、妻のモナ、息子のマット、娘のソフィゾーイの家族5人で旅行に出かけるが、夜の道路で事故を起こしてしまい、ウィル以外の4人は全員死亡してしまう。ウィルはエドに電話し、脳のデータを読み取る装置を持ってこさせる。現場を見てウィルが何をしようとしているかを察したエドは強く反対するが、結局ウィルに押し切られてしまう。4人からデータを抜き取り、研究室の1室に遺体を運んだが、肝心のクローン培養用のポッドは3つしかなかった。
 悩んだ末ウィルは末っ子のゾーイを諦め、モナ、マット、ソフィの3人をクローンとして蘇生させることを決め、実行する。3人の記憶からゾーイを消し、データを3人のクローンに送り込んだ。そして17日後、ポッドから3人のクローンを取り出して自宅に連れ帰り、ゾーイの存在を証明するものを全て処分する。やがて、クローン3体は意識が回復してそれまでの生活に戻ったが、やがて3人はあちこちに違和感を感じ始める。
 モナはウィルに疑問をぶつけると、ウィルはモナ達をクローンとして蘇生させたことを全て話す。一方、所長のジョーンズはウィルが事故死した家族をクローン人間として蘇生させたことを知り、ウィルの持つ意識転送のためのアルゴリズムと家族を奪いに動き出す。このことに感づいたウィルは、ある意図から自分の脳をデータ化し記憶装置に取り込むのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    家族を事故で失った、キアヌ扮する科学者ウィルがマッド・サイエンティストのごとく一線を越えて家族のクローンを作ってしまうという作品で、事前の予想ではクローンに一旦は成功したかに見えて、実は致命的な欠陥があって彼の目論見は脆くも崩れ去り、禁忌を犯した報いを受ける・・・・・なんて悲惨な結果を想像していたのだが、見事に予想を裏切られた。おそらくは観客の多くは私と同様、バッド・エンディングを期待(?)して裏をかかれているだろうと思われ、ある意味制作側にとってはしてやったり的な作品なのだろう。
 私は“神”などという存在は微塵も信じないが、それでも「人間を創る」という行為はいわゆる“神の領域”に属するもので、人間が安易に行ってはならないものだと思う。そんな一種の禁忌の領域に踏み入れたウィルが破滅への道を突き進むと考えるのは当然の成り行きなのだが、この作品ではそんな因果応報には目もくれず、後半に入るとクローンを大量生産しようと目論むジョーンズから家族を守るアクション作品へと一転するのだ。
 その意味では、ラストはハッピーエンドと言っていいし、観終えた後味も悪くないのは幸いだった。ウィルの意識をインプリントしたロボットが、ジョーンズと組んでクローン事業で金儲けしているのには笑ったが、ウィル本人に家族を任せて、自分は汚れ役に甘んじるのを見せられると、いかに機械とは言えさすがに切なくはあるが。そしてもうひとつ、ポッド不足のためにクローン再生を断念せざるを得なかったゾーイも蘇って、家族5人が元通り幸せに・・・・・はいいけど、その幸せの最大の立役者だったエドは、クローン再生されることなく放ったらかしかい!?