評     価  

 
       
File No. 2998  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2019年05月17日  
       
製  作  国   イギリス / アメリカ  
       
監      督   ウォッシュ・ウェストモアランド  
       
上 映 時 間   111分  
       
公開時コピー   ココ・シャネルに愛され、オードリー・ヘプバーンを見出した、実在の小説家  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   キーラ・ナイトレイ [as コレット]
ドミニク・ウエスト [as ウィリー]
デニース・ゴフ [as ミッシー]
フィオナ・ショウ [as シド]
エレノア・トムリンソン [as ジョージー・ラオール=デュヴァル]
ロバート・ピュー [as ジュール]
レイ・パンサキ [as ヴェベール]
スローン・トンプソン [as マチルデ]
 
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あ ら す じ    19世紀後半、フランスの田舎の村で父・ジュール、母・シドと3人で暮らしていたコレットは、パリで文筆業を営むウィリーと恋に落ちて、パリでウィリーと一緒に暮らし始める。ウィリーは何人かのゴーストライターを雇い、彼らに小説や記事を自分の名前で書かせていた。ある日、コレットはウィリーが他の女性と情事を重ねているのを知って激怒し田舎へ帰るが、コレットを追いかけてきたウィリーは、もう二度と浮気はしないと約束して、コレットと共にパリへ戻るのだった。
 1895年、ウィリーは金に困り借金取りが家に押しかけル用になる。コレットもゴーストライターの一人として小説を書くと、ウィリーは気に入ったものの出版できるようなレベルでないと言う。しかし、ウィリーの財産の一部は差し押さえられ、困り果てたウィリーは、コレットの小説を修正して出版することを決める。ウィリーとコレットが修正加えた小説『クロディーヌ』はベストセラーになる。ウィリーは田舎の家を買って、そこでコレットに続編を書かせようとするが、コレットはあまり続編に気が向かず、苛立ったウィリーはコレットを部屋に閉じ込め、強制的に机に向かわせる。こうして出来上がった続編は、またもや大ヒットするのだった。
 こうしてすっかり有名人となったコレットとウィリーは、ある日ジョージー・ラオール=デュヴァルというアメリカ人の金持ちの女性から夕食に誘われる。コレットは彼女と同性愛関係になるが、ウィリーもジョージーと身体を交えてしまう。コレットはこの体験をもとに次のクロディーヌ・シリーズの本を書いたが、ジョージーの夫が怒り狂い本を買い占めて焼いてしまう。しかし、クロディーヌ・シリーズは舞台化され、舞台の大成功によってクロディーヌは社会現象となり、女性たちの間に髪型やファッションのブームが起こるのだった。
 自分の名前でクロディーヌ・シリーズを出版したウィリーはますます有名人となり、自分の名前が出ないコレットはしだいに鬱憤を積もらせていく。そんな折りコレットは新たに女優として舞台に取り組むのだが、舞台は失敗に終わってしまう。加えて、自らの浪費癖もあり再び財産をすべて失ってしまっうと、ウィリーはクロディーヌ・シリーズの全権利をコレットに無断で売却してしまう。これを知ったコレットは怒り狂い、ついにウィリーと離婚をすることを決意するのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    私の苦手な伝記物だが、意識を失わずに最後まで観ることができたのは、ひとえに主演のキーラ・ナイトレイのキレのある演技のおかげだろう。“ココ・シャネルに愛され、ヘプバーンを見出した”とコピーにはあるが、この作品に描かれているのはそこに至るまでの彼女の前半生で、作ろうと思えばウィリーと離婚した以降の彼女の伝記だけでもまた1本の映画になることだろう。私としては、むしろ後半の方が気になるのだが、同意見の方は少なくないんじゃないだろうか。
 全編が英語による作品であることに加え、主演のキーラ・ナイトレイも共演のドミニク・ウエストも共に英国俳優のため、ともすると舞台がパリなのかロンドンなのか、わからなくなってくる(笑)。冒頭から「なぜガブリエル(=コレット)のような若くて美しい女性がウィリーに?」というのが引っかかっていて、もしかしたら単に彼女の身体が目当ての助平野郎かとも思ったのだが、どうやらそうではなく、彼は彼なりに本気でコレットを愛していたようだ。だったらなぜもっと妻を労ることができなかったのか、例えば『クロディーヌ』シリーズを共著にするくらいのことはできなかったのか、とも思うが、やはり時代はまだまだ男性優位の時代だったのだろう。
 財布のひもは完全にウィリーが握っていたようで、浪費(もっぱら女性に貢ぐことが多かったようで)をしては財産を失うの繰り返し。そんなダメ夫を甲斐甲斐しく支える彼女の性遍歴は、以外にも同性愛が多かったようで、少なくとも作品中には夫以外の異性との恋愛は全く描かれていない。
 そんな彼女のお相手となった女性のうち、ジョージー・ラオール=デュヴァルを演じたエレノア・トムリンソンには「誰だ?この美人女優は」と目を惹かれた。どこかで観たことがあるのだが思い出せず(このところお約束のパターンだ)、調べてみて『ジャックと天空の巨人』のイザベル姫を演じた女優と分かり納得。