評     価  

 
       
File No. 3001  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年05月24日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   中田 秀夫  
       
上 映 時 間   99分  
       
公開時コピー   撮ったら死ぬ  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
キ ャ ス ト   池田 エライザ [as 秋川茉優]
塚本 高史 [as 石田祐介]
清水 尋也 [as 秋川和真]
姫嶋 ひめか [as 少女]
桐山 漣 [as 藤井稔]
ともさか りえ [as 祖父江初子]
佐藤 仁美 [as 倉橋雅美]
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
あ ら す じ    心理カウンセラーの秋川茉優のもとに、ひとりの記憶障害の少女が入院してくる。やがてその少女は、1週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江初子が人知れず生み育てていた子供であることが判明する。
 少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始める。一方、WEBマーケティング会社に勤める石田祐介の薦めで動画クリエイターとなった、茉優の弟・秋川和真はアクセス数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮ろうとその火災跡に忍び込むが、動画をアップしたのちに消息を絶ってしまう。
 茉優は拡散された動画を探し出し、再生してみると、和真の背後に長い髪の女が立っていた・・・・・。
 
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
たぴおか的コメント    もう完全に『リング』シリーズから離れてしまい一人歩きしている“貞子”というキャラクター。こうなってくると貞子は、私にとってはパロディのネタ(例えば、『君に届け』の爽子のように)でしかなく、怖いどころかむしろ笑ってしまいそうなキャラにまで堕ちてしまっている。確かに『リング』の原作は怖かったが、主演が松嶋菜々子とわかり劇場では観なかったし、DVDで観て残念な内容だったから続く一連の作品も、やはり劇場では観ていない。このシリーズも完全に飽きられているのだから、もういい加減止めておけばいいのにと思うのだが、原作者の鈴木光司はまだ懲りずに貞子ネタで作品を書いているようで、この作品も彼の手になる『タイド』という小説を映画化したもののようだ。
 “タイド”とはおそらく“tide = 潮”で、この作品のクライマックスが展開される洞窟から命名されたのだろう。実はこの作品、ハナから劇場で観る気など全くなかったのだが、主演が池田エライザであることについつい誘惑され、加えてこの週末は観たい作品の本数が少なかったこともあって劇場で観てしまったのだが・・・・・結果は劇場はおろかDVDですら観る必要はないと思った。それほど陳腐な内容だった。そして、やはり貞子が登場すると、背筋に寒気が走る・・・・・わけなくて、むしろ笑いをこらえなければならなかった。
 そもそも、ともさかりえ扮する祖父江初子の娘の少女と貞子の関係は?マンションの火災現場を撮影した和真が呪われるのはわからなくもないが、なぜすぐに殺されずに遥か遠方の海辺の洞窟にいたのか?佐藤仁美演じる倉橋雅美は、なぜ貞子に呪い殺されることになったのか?果ては、なぜ池田エライザ演じる秋川茉優が貞子に襲われるのか?すべての現象に脈絡はなく、ただコワがらせたいという意図だけが見え見えで、だから、一言でまとめるなら支離滅裂、全然コワくないし、面白くもない。もしかしたら原作の小説はその辺りは理論整然と書かれているのかも知れないが、そうなると映像化が完全な失敗に終わったという事だろう。唯一、池田エライザのおかげで目の保養ができた、その程度の作品だった。