評     価  

 
       
File No. 3015  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年06月07日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ハンス・ペテル・モランド  
       
上 映 時 間   119分  
       
公開時コピー   模範市民賞受賞直後にキレる。
    
壮絶な、
全くかみ合わない
戦いが始まる。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   リーアム・ニーソン [as ネルズ・コックスマン]
ローラ・ダーン [as グレイス・コックスマン]
マイケル・リチャードソン [as カイル・コックスマン]
マイケル・エクランド [as スピード]
ブラッドリー・ストライカー [as リンボ]
ウェスレイ・マッキネス [as ダンテ]
トム・ベイトマン [as トレバー・“バイキング”・カルコート]
ドメニク・ランバルドッツィ [as マスタング]
ニコラス・ホルムズ [as ライアン]
トム・ジャクソン [as ホワイトブル]
エミー・ロッサム [as キム・ダッシュ]
ジュリア・ジョーンズ [as アヤ]
ジョン・ドーマン [as ジョン・“ジップ”・ジプスキー]
ウィリアム・フォーサイス [as ブロック]
 
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あ ら す じ    雪の町コロラド州キーホー。静かで真面目な除雪作業員ネルズ・コックスマンは、その仕事ぶりが認められて模範市民賞を授与される。そんなネルズに、ある日突然息子・カイルの死の知らせが届く。死因はヘロインの過剰摂取だと警察から告げられるが、ネルズには息子が麻薬をやっていたなど到底信じることができなかった。
 1人息子を失った妻・グレイスの怒りと悲しみは深く、次第に夫を遠ざけるようになる。落ち込んだネルスは自死を図ろうとするが、そこへ息子の知人だったダンテが現れ、カイルは人違いで麻薬組織に殺されたと話す。気を取り直したネルズは、「全員、除雪」と息子の死に復讐を誓う。特殊なスキルを持たないネルズだが、除雪作業のキャリアで培った土地勘や体力と犯罪小説から得た知識を武器に、相棒の除雪車を引き連れ闇から闇へと除雪を開始する。
 事の重大さに気付かないまま除雪をライフワークにしたネルズが、じわじわと組織を追い詰めていく。そして、組織のボス・トレバー・“バイキング”・カルコートの息子を亡き者にするが、バイキングはネイティブ・アメリカンである宿敵・ホワイトブルの仕業だと思い込み、襲撃と報復を始める。
 こうしてネルズ、バイキングとホワイトブルの2つの組織、そして警察を巻き込んだ四つ巴の「全くかみ合わない戦い」が幕を切り、事態は思いもよらない方向へ進んでいく・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『96時間』を皮切りにこのところずっとこの手の報復ものが続くような気がする、リーアム・ニーソンの最新作。確かに『96時間』の1作目は抜群に面白かったが、さすがにこれだけ続くと満腹感もあり、さらには『96時間』のレベルを維持することなど到底不可能だから、正直いい加減飽きてきたという向きも少なくないだろうし、私もそのクチだ。
 リーアム・ニーソン扮するネルズが一人殺すたびに、殺された人間の名前と十字架が。そして、その十字架が一体いくつ表示されたことか。スリルもサスペンス性も薄く、もうただただ人を機械的に殺していくという、単なる殺戮映画になってしまっていて、これならリーアムが主演する必要はないのでは?と思うが、彼以外の俳優が主演したならばおそらく集客率は大きく落ちるだろうと思われる。
 そんなネルズに愛想を尽かして、彼の帰りが遅いのはなぜなのか本人に問い詰めることもせず、白紙の置き手紙だけを残して出て行ってしまう妻・グレイス。『96時間』シリーズでは常に家族に対する愛情というバックボーンがあり、だからこそ主人公が的を次々と殺していくという行為にも納得させるモチベーションがあったのだが、今回の場合はそれがない。というか、主人公のネルズも含めて、人間の感情がまったく描かれていないのだ。だから、ネルズは淡々とさくりくを重ねる殺人マシーンとしてしか映らないわけで、手段は違っても単調な殺戮シーンの繰り返しには、さすがに途中でうとうととしてしまった。これは、一連のリーアム・ニーソン主演作では初めてのことだった。