評     価  

 
       
File No. 3063  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年09月06日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   柳 明菜  
       
上 映 時 間   105分  
       
公開時コピー   約束しよう。
私たちは必ず、
また出会うんだよ。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   横浜 流星 [as 七草]
飯豊 まりえ [as 真辺由宇]
矢作 穂香 [as 堀]
松岡 広大 [as 佐々岡]
松本 妃代 [as 水谷]
中村 里帆 [as 豊川]
伊藤 ゆみ [as トクメ先生]
片山 萌美 [as 時任]
君沢 ユウキ [タクシー運転手・野中]
岩井 拳士朗 [as 管理人・ハル]
黒羽 麻璃央 [as ナド]
 
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あ ら す じ    ある日突然、“階段島”にやって来た高校生の七草。島に暮らす人々は、自分たちがどうしてこの島に来たのかを誰も知らなかった。島から出るには、“失くしたもの”を見つけなければならない。だが、疑問さえ抱かなければ、島の日常は安定しており、誰も疑問を突き詰めることなく、平穏な日々を送っていた。
 ところがある日、七草の幼なじみの真辺由宇島に現われる。真っ直ぐで気の強い真辺は島への不満を口にし、島から出ようと決意する。島を出るためには、自分がなくしたものを見つけることだと知った真辺は、七草を巻き込みながら、島の秘密の解明に乗り出すのだったが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    原作、脚本、そしてキャスティングのどれをとってもいいところが見つからない作品だった気がする。原作に関しては、作品を観ただけの印象だけど、“独り善がり”“独善的”な匂いがプンプンする。読者にわかるようにではなく、完全に作者の自己満足で終わっているんじゃないだろうか。全体に霧が掛かったように不鮮明で、ちょっと見は神秘的な雰囲気を醸し出しているようなのだが、その実は観客に訴えるだけの力が不足しているだけ。例えば「郵便局員の時任とは何者なのか?」「全てを悟りきったような口ぶりのナドとは何者か?」そして極めつけは「魔女とは誰なのか?」など、何も明かされていないし、きっと何も明かしようがないのだろうと思う。
 そんな何一つ確たるものがない作品を、映画にするに当たって確たるものを与えもせずにそのまま作られたような脚本。おそらくは、脚本家自身もこの原作となる小説を完全には理解できていないのだろう。これでは面白い映画が出来上がるはずなんてない。
 そしてキャスティングだが、私が知っている俳優は横浜流星と飯豊まりえの2人だけ。横浜流星は今がまさに旬の俳優なのだろうが、演技力がそれほど優れているとは思えず、作品に合わせてか掴み所のない没個性な七草というキャラクターになっている。これでは、他の誰かが演じてもまったく違和感がなく、つまりは誰にでも容易に演じられる七草になってしまっている。また、『きょうのキラ君』で初めて観た時のイメージがのためにどうにも好きになれない飯豊まりえだが、この作品でもその印象を覆すことはできていない。取り立てて美人だとは思えないし、腕と脚が細すぎてまるでマッチ棒が服を着ているようだ。さらにセリフを今にも噛みそうで落ち着いて聞いていられず、彼女ってこんなに演技が上手くなかったのか、と唖然とさせられた。