評     価  

 
       
File No. 3076  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年09月20日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   河合 勇人  
       
上 映 時 間   104分  
       
公開時コピー   時が止まった世界で、最初で最後の恋をした  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   板垣 瑞生 [as 相葉孝司]
吉柳 咲良 [as 篠宮時音]
石橋 杏奈 [as 青年医師の妻]
甲本 雅裕 [as 相葉誠司]
竹内 涼真 [as 青年医師]
 
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あ ら す じ    
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たぴおか的コメント    久しぶりに私の弱点を見事に突いてくるような作品だった。後半はしばしうるうるさせられてしまい、こういうのにはわかっていてもやられちゃうんだよね(笑)。エンドクレジットで誰がメガホンを執っていたのかと期待していたら、『俺物語!!』の河合勇人監督だった。先日の『かぐや様〜』も面白かったし、どうやら川合監督の作品とは相性が悪くないようだ。
 てっきり竹内涼真が主役だと思っていたら、この作品の主演は板垣瑞生と吉柳咲良という初めて見る名前の2人で、ちょっとテンションが落ちてしまったのだが・・・・・観てみるとこの2人、実にハマリ役でもう満足。どうやら吉柳咲良の方は映画初出演のようだが、嫌みのない整ったルックスの板垣瑞生はというと、最近では『ホットギミック』、昨年の『響−HIBIKI−』、そして『ソロモンの偽証』『アオハライド』で既に何度も観ているはずなのだが・・・・・残念ながら、全く記憶に残っていない(笑)。
 観ていると、板垣瑞生演じる相葉孝司と、吉柳咲良演じる篠宮時音の2人は竹内涼真演じる青年医師とその妻の過去だと錯覚させられた。青年医師の妻も時音も共に絵が抜群に上手いし、結婚指輪の代わりに白い文字盤のペアウォッチというのも同じ。実は時計を良く見ると、青年医師の時計はクロノグラフだったが、孝司の時計はそうじゃないことに気づくんだけどね。
 ヒロインの時音を演じる吉柳咲良は、決して誰もが美人だというタイプではないのだが、『二度めの夏、二度と会えない君』で燐を演じた吉田円佳もそうだったが、極めてフツーなのが逆に親しみを覚える。こういう役は、有村架純や浜辺美波のように街でもしも歩いていたら周囲の目を惹いてしまうタイプでは駄目だと思う。その意味では、永野芽郁チャン辺りはこの役柄が似合うかも知れない。
 ここからはネタバレになるので、例によって伏せておきます。
 この手の作品は、ハッピーエンドじゃなきゃいけない。それはわかっていてもなお、ロスタイムを与えられた時音がウィルソン病という難病で余命を宣告されていて、その相手である孝司が生体肝移植のドナーとして適合してしまうなんて・・・・・そんな偶然あるかよ!?と言いたくなるところだが、実はそれは順番が逆だということに気づいた。そもそもドナーに適合しているからこそ、孝司と時音にロスタイムが与えられたのだ、と。だから、孝司と時音が結婚するのも必然であれば、倫理委員会から特例的に未成年のドナーに許可が与えられるのもまた必然なのだ。これこそが2人にロスタイムが与えられた理由であって、2人にロスタイムが訪れなくなったのは、時音残念な結果になったのではなく、命を取り留めたからで、未成年である孝司のドナー提供が認められたからだったのだ。