評     価  

 
       
File No. 3101  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2019年10月18日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   オットー・バサースト  
       
上 映 時 間   116分  
       
公開時コピー   反逆者か、
ヒーローか。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   タロン・エガートン [as ロビン・ロクスリー]
ジェイミー・フォックス [as ヤキヤ・イブン・ウマール/ジョン]
ベン・メンデルソーン [as ノッティンガム州長官]
イヴ・ヒューソン [as マリアン]
ジェイミー・ドーナン [as ウィル]
ティム・ミンチン [as タック修道士]
ポール・アンダーソン
F・マーレイ・エイブラハム [as 枢機卿]
 
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あ ら す じ    イングランド、ノッティンガム州。広大な屋敷に恋人のマリアンと気ままに暮らしていた若き領主のロビン・ロクスリー。ある日そんな彼の元に十字軍への招集通知がもたらされる。ロビンは必ず生きて帰ると、マリアンは必ずロビンの帰りを待っていると、約束を交わして4年の年月が流れた。
 ところがマリアンが待つ領地に帰ってきたロビンが見たもの、それは荒れ果てた屋敷と領民たちが居なくなってすっかり寂れてしまった領地だった。ロビンは親しい間柄だったタック修道士を訪ね、自分が戦死したことにされて領地と財産は没収され、マリアンも領民共々鉱山へと追放されてしまったことを知る。そこでロビンは、マリアンを求めて鉱山へと赴くが、彼女が新しい恋人・ウィルと仲睦まじくする様子を遠目から眺めるしかなかった。
 そんな絶望にくれるロビンの前に現れたのは、戦地で敵対した最強の戦士・ジョンだった。ジョンは自分の息子を救おうとしてくれたロビンを見込んで、貧しい人々からさらなる税金を徴収して苦しめるノッティンガム州長官に対する叛逆を持ちかける。ジョンと手を組んだロビンは、ジョンから弓のトレーニングを受けた末に、頭巾で顔を隠して政府から金を奪い、これを州長官に献上することで信頼を得て、徐々に州長官の懐へと潜り込んでいく。また、一方では盗んだ金を生活に苦しむ人々にばらまいて、正体不明のザ・フッドとして人々に英雄視されていくのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    もう何度も映像化されていて、もはや“映像し尽くされた”感のある『ロビン・フッド』の、本作は『ザ・ビギニング』とある通り誕生にまつわる物語。ちなみに、実は私はロビン・フッドを描いた作品は1作品も観たことがないため(時間があればラッセル・クロウ版とケヴィン・コスナー版はDVDで観ておこうと思った)、先入観に捕らわれることもなく観ることができたのが幸いだったようで、『キングスマン』シリーズのタロン・エガートン主演のアクション作という点に最も惹かれたのだが、共演がジェイミー・フォックスという点にも大いに興味が湧いた。これは見逃すワケにはいかないってことで、中身にはあまり過度の期待を抱かないよう自制して劇場に臨んだのだが、タロン・エガートンは言うまでもなく、ジェイミー・フォックスまでもがまぁとにかく動くこと動くこと。改めて2人の身体能力の高さを見せつけられた思いだ。
 『キングスマン』のエグジーもそうだったが、タロン・エガートンはやはりこういった役柄が似合う。彼の前作『ロケットマン』も、見た目がエルトン・ジョンに似ていた上に、演技は各方面から絶賛されているようだから、決して悪い出来じゃなかった。とは言うものの、正直言ってあの役柄では彼の持ち味である、『キングスマン』で見せてくれた身体能力が活かされていないのは事実だろう。その点に欲求不満を感じていた私にとって、この作品はまさにその不満を埋めて余りある作品となったのは確かだ。
 弓矢とは離れた場所から相手を倒すことができる武器、という既成概念を打ち砕くかのような、接近戦での弓矢を使用するアクションが見応え充分で、とにかく次から次へと矢を放つそのスピード感は特筆すべきだ。そして、作品全体を引き締めてくれているジェイミー・フォックスの存在感。加えて、恋人のマリアンを演じたイヴ・ヒューソンの美貌と、押さえるべきところはちゃんと押さえているのも好感が持てる。
 日本ではどうか知らないが、どうやら本国では大コケと言っていいような興行成績らしいから、せっかくウィルが次の悪役となるだろう布石を打ったにもかかわらず、続編の制作が絶望的なのは惜しまれる。