評     価  

 
       
File No. 3102  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年10月18日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   上田 慎一郎  
       
上 映 時 間   109分  
       
公開時コピー   この映画、予測不能。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   大澤 数人 [as 大野和人]
河野 宏紀 [as 大野宏樹]
富士 たくや [as 富士松卓也]
北浦 愛 [as 富士松鮎]
上田 耀介 [as 田上陽介]
清瀬 やえこ [as 清水八枝子]
仁後 亜由美 [as 丹後真由]
淡梨 [as 大和田多磨瑠]
三月 達也 [as 大和田克樹]
櫻井 麻七 [as 七海]
川口 貴弘 [as 河田隆弘]
南久松 真奈 [as 麻奈]
津上 理奈 [as 津川里奈]
小川 未祐 [as 津川祐未]
原野 拓巳 [as 原田拓己]
広瀬 圭祐 [as 廣瀬]
宮島 三郎 [as 鬼塚]
山下 一世 [as 山本]
 
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あ ら す じ    売れない役者の大野和人は、彼は極度に緊張すると気絶してしまうという致命的な弱点を抱えていた。オーディションでも審査員から怒鳴りつけられて失神してしまった和人は、メンタルクリニックの主治医・原田拓己に相談するが、彼の気絶癖は一向に改善しなかった。
 ある夜和人は、チンピラ風の若い男に絡まれるカップルと遭遇する。和人はカップルを助けるかあるいは観て観ぬ振りをすべきか逡巡していと、いざこざは解決してカップルは立ち去ってしまうが、2人に絡んだ若い男は彼の弟の大野宏樹だった。現在宏樹は俳優事務所の“スペシャルアクターズ”で働いているといい、そこでは映画やドラマの仕事の他に、役者が日常の中で演じることで様々な問題を解決するお悩み相談にも対応していた。実はカップルに絡んだのも仕事のひとつだったのだ。
 オーディションにも通らずに追い込まれていたこともあり、宏樹から誘われるままに“スペシャルアクターズ”で働くことになる和人。そんなある日、「カルト集団・ムスビルから旅館めぶきを守って欲しい」という依頼が、旅館の女将の妹・津川祐未によって“スペシャルアクターズ”に持ち込まれる。そして、あろうことか和人は、この危険なミッションの中心メンバーに抜擢されてしまうのだった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    『カメラを止めるな!』の上田慎一郎監督による劇場版長編の2作目。相変わらず無名の俳優ばかりを起用していて、これまた『カメ止め』同様に芸名と劇中名が似ているためにややこしくて仕方ない(笑)。期待しちゃいけない、と自分を戒めつつも、やはり期待を抱いてしまうのは避けられなかった。結果、やはり期待過剰で物足りなさを感じてしまったのは仕方ないことだろう。
 とは言っても、作品は三段構えの構成になっていて、誰もが「騙される」ことは間違いない。特にラストでの大どんでん返しはそれまでの前提を根底から覆す見事さで、コピーにある「予測不能」というのは看板に偽りなしだ。また、教団に対して「こんな幼稚な方法で騙されるヤツはいないだろう」なんて思ってしまったが、その点も納得させてくれるものだった。
 いくらすぐに気絶してしまうという役柄だとは言え、主役の大野和人を演じた大澤数人の、周囲に言われるままのあまりに主体性を欠いたキャラクターにはどうも共感できない。加えて、表情の変化に乏しいから、いまひとつ和人の感情が伝わってこない気がする。そして、主役が引き立て役に回ってしまったおかげで、弟の宏樹を演じた河野宏紀が際立って見えた。もしも私が何らかの作品のキャスティングを任せられたならば、役柄にもよるとは言え、大澤数人ではなく河野宏紀を起用したくなることは間違いない。