評     価  

 
       
File No. 3110  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年11月01日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   アンディ・ムスキエティ  
       
上 映 時 間   169分  
       
公開時コピー   また、会えたね。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   ジェシカ・チャスティン [as ベバリー・マーシュ]
ジェームズ・マカヴォイ [as ビル・デンブロウ]
ビル・ヘイダー [as リッチー・トージア]
イザイア・ムスタファ [as マイク・ハンロン]
ジェイ・ライアン [as ベン・ハンスコム]
ジェームズ・ランソン [as エディ・カスプブラク]
アンディ・ビーン [as スタンリー・ユリス]
ビル・スカルスガルド [as ペニーワイズ]
ジェイデン・マーテル [as ビル(1989年)]
ワイアット・オレフ [as スタンリー(1989年)]
ジャック・ディラン・グレイザー [as エディ(1989年)]
フィン・ウォルフハード [as リッチー(1989年)]
ソフィア・リリス [as ベバリー(1989年)]
チョーズン・ジェイコブズ [as マイク]
ジェレミー・レイ・テイラー [as ベン(1989年)]
 
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あ ら す じ    “それ”がもしもまた現れた際には、再び集まって今度こそ打倒しようと誓ったルーザーズクラブの面々。その中でデリーの街に残り、ペニーワイズの謎を追っていたマイク・ハンロンは、街で再び“それ”による犠牲者が出始めたことを察知し、かつての仲間たちを招集する。ルーザーズクラブのメンバーはデリーの街を離れたことで、かつての記憶を失っており、ペニーワイズの存在も忘れてしまっていた。
 彼らはデリーの中華料理店で食事をすることになるのだが、そこにスタンリー・ユリスの姿はなかった。というのもスタンは、デリーに帰る前に自ら命を絶ってしまったのだった。そして、中華料理店でいきなりペニーワイズによる怪奇現象が起こり、スタンの死も相まって意気消沈したメンバーはバラバラになってしまう。
 しかし、長年の調査の中でペニーワイズの撃退法「チュードの儀式」を発見していたマイクの説得もありリーダー格のビル・デンブロウが戦うことを決意し、他のメンバーたちも戦う覚悟を決める。チュードの儀式には、自分の思いでの品々が必要とされており、彼らは自分の思い出深い場所に赴き、忘れていた過去と向き合うことになるのだが、そこにはペニーワイズの仕掛けた罠が待ち受けていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ホラーなのに全く怖さを感じなかった前作が実は「ホラー映画歴代興収No.1」というのが全く信じ難く、とは言えせっかく1作目を観たことだし、完結編も観ざるを得ないと思ったまでは良かったのだが、尺が169分とは長すぎる!『サスペリア』の152分でさえ、「ホラーは次々とたたみかけるように怖さの波が襲ってこなくてはいけないから、152分なんて長すぎる」といった趣旨のコメントを書いたのに、それよりさらに20分近くも長いとは、もはやホラーじゃないでしょう。例えて言うなら、10分ほどのホラー的な要素を17倍に希釈してしまったおかげで、通常の飲み物であれば薄くて不味くて飲めやしない、それが長尺のホラー作だ。と言うわけで、思い切りテンションが下がりつつも劇場で鑑賞したが、案の定全然怖くなくて、B級ダーク・ファンタジーの駄作と言っても過言じゃない。これ、本当にスティーヴン・キングが原作なのか?
 私に言わせれば“ほんのりかすかにホラー風味を効かせた同窓会物語”は、さらに遠慮なく言わせてもらえば、これを観るのは金の無駄に加えて時間の無駄。ただ、今回の続編を観たくなる要素が1点だけあって、それはジェシカ・チャスティンとジェームズ・マカヴォイが出演していることだ。ジェシカの出演は予告編で知っていたけど、ジャームズ・マカヴォイはスクリーンに登場した時、思わず「あれ?ジェームズ・マカヴォイに似てるけど・・・・・」なんて思ってしまった。前作より★の数を1個増やしたのも、2人の出演に免じてだ。
 そもそも、スティーヴン・キングのホラーって、私が初めて触れた『痩せゆく男』、あるいは見る者を絶望のドン底へ突き落とす『ミスト』といった、ひしひしと感じられる人間の怖さが真髄だと思っていたから、この作品のようにバケモノがスクリーン上を縦横に闊歩するような作品じゃないと思っていた。確かに『ミスト』にはモンスターが登場するが、それが怖さのメインじゃないし、『痩せゆく男』に至っては人間しか登場しない。突然の大音響で観客を驚かせるような姑息な手段は一切使っていない。それが、スティーヴン・キング作品の醍醐味だと思っていたのに、この『IT』で裏切られたような失望感を味わう羽目になるとは思わなかった。