評     価  

 
       
File No. 3112  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年11月08日  
       
製  作  国   アメリカ  
       
監      督   ティム・ミラー  
       
上 映 時 間   129分  
       
公開時コピー   時代は変わった。
運命はどうだ。
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   リンダ・ハミルトン [as サラ・コナー]
アーノルド・シュワルツェネッガー [as T-800]
マッケンジー・デイヴィス [as グレース]
ナタリア・レイエス [as ダニー・ラモス]
ガブリエル・ルナ [as REV-9]
ディエゴ・ボネータ [as ディエゴ・ラモス]
フェラン・フェルナンデス [as フラコ]
トリスタン・ウロア [as フェリペ・ガンダル]
 
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あ ら す じ    人類滅亡の日である1997年の「審判の日」は、サラ・コナーとその息子のジョン、そしてT-800型ターミネーターらの活躍により回避された。しかし、その後平穏に暮らしていた彼女の前に未来から再び派遣されたターミネーターが現れ、ジョンは殺害されてしまう。以来、怒りと復讐の念に燃える彼女は、未来から次々に派遣されてくるターミネーターを破壊することだけを生きがいにするようになった。  ある日、メキシコシティで暮らす少女ダニー・ラモスを標的に最新型ターミネーター“REV-9”が送り込まれ、命を狙う。地に陥った彼女の前に、同じく未来から彼女を守るべく派遣されたグレースが現れる。彼女は未来での戦闘に重傷を負い、進んで強化サイボーグとなったのだった。そして、さらにはサラ・コナーも2人に合流するが、圧倒的な性能を誇るREV-9からは逃げるしか術がなかった。
 サラは携帯に送られてくる“ジョンのために”という言葉で締めくくられるメッセージを頼りにターミネーターと戦ってきたという。グレースがサラの携帯を解析すると、送信元はテキサス州の森の中であり、その場所は奇しくもグレースの腹部に刻まれた場所と一致していた。3人はREV-9の襲撃をかわしつつ目的地にたどり着くが、そこで3人を出迎えたのは、ジョンを殺害したT-800だった・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    今回、『ターミネーター』の生みの親であるジェームズ・キャメロンがプロデュースに復帰した、あの名作『T2』の正当な続編と言われる作品。おそらくジェームズ・キャメロン自身も『T2』の続編など、当時は制作するつもりはなかったのだろう。だからこそ『T2』で最強と言っていいターミネーターの“T-1000”を登場させたわけで、それが枷となって未だに“T-1000”を超える性能のターミネーターを生み出せずにいる、そんな印象をこの作品からも受けた。
 さすがにジェームズ・キャメロンがプロデュースするだけあって、あまりに『T2』からの落差が大きかった『ターミネーター3』のような残念さはなく、まさに「これこそがターミネーター」という緊迫感のあるアクション大作になっている。とは言っても、共に大ヒットした1作目、そして2作目の遺産を食い潰す感は否定できない。この作品、どうやら新たな三部作の一作目に当たるらしいが、かなりの赤字となりそうな収支とのことで、シリーズ化が早くも危ぶまれる状態なのは残念な限りだ。
 冒頭でいきなり『T2』直後の若いリンダ・ハミルトンと、エドワード・ファーロング演じるジョン(共にCG)が登場したのは意外な幕開けとなったが、ジョンが現れたT-800型ターミネーター(ちろん若き日のシュワちゃんのCG)にあっさりと殺されてしまうのはさらに意外だった。『T2』でサーバーダイン社を壊滅させたことによって、スカイネットによる“審判の日”は回避され、もうジョンが抵抗軍のリーダーとなる未来は存在しないから、歴史がジョンを必要としなくなったわけだ。可能ならば現在のエドワード・ファーロングが出演してターミネーターに殺される、という設定にしたかったのかも知れないが、かつての美少年のイメージを根底から崩壊させかねない現在の彼の風貌から、やむをなくCGに頼らざるを得なかったのだろう。
 1984年の『ターミネーター』を皮切りに『ターミネーター2(1991年)』、『ターミネーター3(2003年)』、『ターミネーター4(2009年)』、『ターミネーター 新起動(ジェニシス)(2015年)』、そして今回の作品で6作目となる『ターミネーター』だが、『4』を除く全作品で主役を演じてきたシュワちゃんも既に72歳。確かに1作目が大成功を収めたのはリンダ・ハミルトンでも、ましてマイケル・ビーンでもなく、シュワちゃんの功績によるものであることは間違いない。そして、1作目でシュワちゃんが演じたターミネーターの凄みはただ者じゃないし、下手なホラーよりも怖かった。とは言っても、本来歳を取ることのないマシンであるT-800型を、老いを隠せなくなったシュワちゃんが演じる必要性があるのかは、残念だけど疑問だ。『ロボット』のチッティじゃないんだから、別の顔をしたT-800型があってもいいような気はする。いや、シュワちゃんに拘るからT-800型を登場させなければならないのであって、その辺りの再考が必要な時期にさしかかったんじゃないだろうか。