評 価
File No.
3114
製作年 / 公開日
2019年 / 2019年11月08日
製 作 国
日 本
監 督
品田 俊介
上 映 時 間
75分
公開時コピー
ツキイチの衝撃!!
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
二階堂 ふみ
[as 米田青子]
伊藤 沙莉
[as 山本りほ]
松風 理咲
[as 米田ひかる]
須藤 蓮
[as 山内裕]
狩野見 恭兵
[as 北村ゆきち]
豊嶋 花
[as 久保かりん]
藤原 光博
[as 渋谷誠]
岡田 義徳
[as 久保勇輔]
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あ ら す じ
クリスマスイブなのに締め切りに追われ慌ただしい編集部で忙しそうに電話をしている
米田青子
。急な仕事も舞い込み、急いで歩きながら彼氏の
久保勇輔
にデートのキャンセル電話をしている。と、そこへ現れる、ピンクの物体。生理ちゃんだ。翌日、上司の
渋谷
に怒られながらも生理中でぼんやりする青子の横を、清掃スタッフの
山本りほ
が通り過ぎる。フリーターのりほには眩しすぎる編集部の人々を、りほは激しいツッコミと共に超速でSNSに投稿する。仕事が終わり実家の部屋に戻ると、りほの元にも生理ちゃんがやって来る。
青子の妹の
ひかる
は、彼氏の
北村ゆきち
と受験会場へ向かって走っていた。そこへ注射器を持った生理ちゃんが突然肩に。「もう大っ嫌い!」と叫ぶひかる。日を改めて、久保とレストランで食事をしている青子。その背後には生理ちゃんが立っている。帰り道、一緒に夜道を歩いていた久保から突然にプロポーズを受け、青子は驚き思わず背中の生理ちゃんを落とす。久保には11歳になる一人娘がいるために、青子は即答ができなかった。
ある日、重い生理ちゃんを抱えながら清掃の仕事をしていたりほに、青子とその後輩・
山内裕
が声を掛ける。「煮え湯飲み子さんですか?」驚き固まるりほ。2人は雑誌の新しいコラム執筆者として、煮え湯飲み子の名でブログを書いていた彼女を探していたのだ。突然の執筆依頼に思わず逃げ出すりほ。後日、りほの自宅まで説得に来た山内と改めて会う約束をしたりほは、普段とは違うオシャレをして待ち合わせ場所まで向かうが、そこにはアシスタントと名乗る別の女性も居て、りほはまたも無言で逃げ出してしまう。
その頃、青子は久保の自宅で、久保の娘の
かりん
に渾身の手料理を振る舞っていた。ところが、全く青子を受け入れようとしないかりんは怒ってテーブルのものを投げ倒した。自室にこもってしまうかりんに、途方にくれる青子と久保。そしてそれをそっと見守る生理ちゃん。ややこしかったり、こじらせたり。それぞれの日々に、煩わしくも寄り添い続ける生理ちゃんたちと、彼女たちの可笑しくも一生懸命な人生の行方は・・・・・?
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たぴおか的コメント
生理という現象を擬人化(?)してキャラクターにしてしまうというまさかの設定の作品。劇場で観ようと思った決め手は、主演が二階堂ふみであることに加えて、徒らに尺が長い作品が少なくない中(特に、先日の『IT/イット THE END』の169分なんて論外)、75分とかなり短めな尺であること。最近になってやっと、デッキに撮りだめしていて忘れ去られようとしていたTVドラマ『ストロベリーナイト SAGA』を一気観したために、二階堂ふみ演じる米田青子が姫川玲子とダブってしまったのが悔やまれる(笑)。
そもそも“生理ちゃん”という存在自体が架空のものだから、造形はどうでもいいと言えばいい、というか、そもそも原作は小説ではなくコミックスだから、生理ちゃんの造形もほぼ原作の画の通りのようだ。そんなことより、てっきり女性だと思っていた原作者が、実は小山某という男性なのは全くの想定外だった。そうなると、今作品を観て女性がどう感じるかが気になるところだ。
人によって生理ちゃんの大きさを変えることでその辛さを、また、生理ちゃんを背負ったりお腹に乗っかられたりでその重苦しさを、それぞれ可視化しているアイデアは素直に面白いと思う。ただ、もっと女性にとって生理がいかに大変なのか、身をもって経験できない私を含めた男性にも知らしめるような展開にすればとも思ったけど・・・・・そうすると妙に生々しくなってしまうから、これはこれで政界なのだろう。そして、その辺りが原作者が男性であることの限界なのかも知れない。
気負うことなく、自然にこういう役柄も演じられるあたり、やっぱり二階堂ふみは演技達者だと思う。そして、彼女以外のキャストは岡田義徳以外は誰一人として知らないのだが、そんな中で伊藤沙莉扮する煮え湯飲み子・・・・・じゃなくて(間違いじゃないけど)山本りほが光っている。演技していることを全く意識させない自然さは特筆すべきで、二階堂ふみとW主役と言っていいくらいの存在感を発揮している。