評     価  

 
       
File No. 3123  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年11月15日  
       
製  作  国   中  国 / 日  本  
       
監      督   ユー・フェイ  
       
上 映 時 間   110分  
       
公開時コピー   地球最高峰のデスゾーンで、
タイムリミット48時間の
ミッションが始まる!
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   役所 広司 [as ジアン・ユエシュン]
チャン・ジンチュー [as シャオタイズ]
リン・ポーホン [as ハン・ミンシェン]
ノア・ダルトン・ダンビー [as ジェームス]
プブツニン [as タシ]
ババック・ハーキー [as スヤ]
ヴィクター・ウェブスター [as ヴィクター・ホーク]
グレアム・シールズ [as マーカス・ホーク]
 
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あ ら す じ    ヒマラヤ地域の平和のため『ヒマラヤ公約』を締結するサミット会議開催前、一機の飛行機がエベレスト南部の、通称デスゾーンに墜落する。その飛行機には、平和のカギを握る重要機密文書が載せられていた。墜落から3日後、ヒマラヤ救助隊チーム・ウィングスに、インドの特別捜査官を自称する2人の男、ヴィクター・ホークマーカス・ホークから、多額の報酬と共に機密文書を探す依頼が入る。
 チーム・ウィングスは“ヒマラヤの鬼”と呼ばれるジアン・ユエシュン隊長を中心に、若く情熱を持ったヘリパイロット・ハン・シャンミンらが日々危険なミッションに臨んでいた。そこへある日、以前無謀な行動からチームを除名されたシャオタイズが再び加わることになる。ジアンは、優秀ながら無謀な行動の多いシャオタイズに亡くした娘の面影を重ねていたのだった。
 危険なミッションと感じながらも、財政難に悩むチーム・ウィングスは依頼を引き受ける。残された時間は48時間。酸素ボンベ残量も限られる中、死に至る場所・デスゾーンに向けて決死の登頂を始める。チーム・ウィングスと依頼者の2人。刻一刻と時間は過ぎ、様々な思いと世界規模の陰謀が絡まる中、世界最高峰の頂には、予想もつかない事態が待ち受けていた・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    役所広司の主演作だという一点に惹かれて観たのだが、千葉県内ではどの劇場も日本語吹替版のみの上映で、字幕版は最寄りだとTOHOシネマズ日比谷になるため、やむを得ず吹替版を選択。主演の役所広司の吹替は幸い本人が担当していたために(以前、吹替版だと本人じゃなく別の声優が担当していた作品もあった)、違和感を覚えることはなかったけど。
 以前に観た『サイバー・ミッション』同様、日本人俳優は役所広司のみなのだが、『サイバー・ミッション』の山Pと違って役所広司の存在感はさすがで、彼を目当てに観たファンは私同様に安心して観ることができただろう。チーム・ウイングスの体調という役柄でもちろん重鎮ではあるのだが、実質的な主役はチャン・ジンチュー演じるシャオタイズだろう。
 そのチャン・ジンチュー、『ミッション・インポッシブル ローグ・ネイション』に出演していたらしいが、全く記憶にないのは不思議だ。この作品のポスターを初めて観た時、まず気になったのが右側にいる美人は誰なのかということ。早速調べてみたら、てっきり20代だと思っていた彼女が実は39歳という実年齢には驚かされた。
 キャストはともかくとして、問題なのはストーリーの荒さ、もっとズバリ言ってしまえば雑さで、突っ込み所は満載。「え?それで死なないのか?ターミネーターじゃあるまいし」と思うようなシーンが随所に見られ、また悪事を企むのならもっと巧妙に計画を練れといいたくなる、ヴィクターとマーカスの2人。チーム・ウイングスのメンバーを殺害する理由はないし、彼らを殺してしまってどう下山するというのだろうか。2人が何らかの信念に基づく確信犯ならともかく、金と力を手に入れたいのならば、生きて下山することが絶対条件だというのに。
 そして、もっとも納得いかなかったのはラストでシャオタイズが選んだ選択肢なのだが・・・・・ここからはネタバレになるので、以下例によって伏せておきます。
 彼女がチーム・ウイングスに加わりたかった最大の理由は、エベレストで遭難した彼を見つけるためなのだが、氷漬けとなった彼を発見して、生きることを放棄して彼と運命を共にするという選択をするとは考えられない。断じて。そんなことをしても喜ぶ者は誰一人いないし、死んだ彼も自分の分まで彼女には生きて欲しいと思いこそすれ、死んで欲しいなどとは絶対に思わない。それが感動に繋がるとでも思っているならむしろ逆で、私はあのラストのおかげで完全に醒めてしまった。