評     価  

 
       
File No. 3131  
       
製作年 / 公開日   2018年 / 2019年11月29日  
       
製  作  国   フランス  
       
監      督   フィリップ・ラショー  
       
上 映 時 間   93分  
       
公開時コピー   この手があったか!
冴羽リョウ、最大の危機(笑) by北条司
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   フィリップ・ラショー [as リョウ(冴羽リョウ)]
エロディ・フォンタン [as カオリ(槇村香)]
タレク・ブダリ [as パンチョ]
ジュリアン・アルッティ [as ジルベール・スキッピー]
ディディエ・ブルドン [as ドミニク・ルティエ]
カメル・ゴンフー [as ファルコン(海坊主/伊集院隼人)]
ラファエル・ペルソナ [as ヒデユキ(槇村秀幸)]
ソフィー・モーゼル [as サエコ(野上冴子)]
パメラ・アンダーソン [as ジェシカ・フォックス]
 
声 の 出 演   山寺 宏一 [as リョウ]
沢城 みゆき [as カオリ]
玄田 哲章 [as ファルコン]
田中 秀幸 [as ヒデユキ]
一龍斎 春水 [as サエコ]
浪川 大輔 [as パンチョ]
多田野 曜平 [as ジルベール・スキッピー]
土師 孝也 [as ドミニク・ルテリエ]
恒松 あゆみ
三上 哲
伊倉 一恵
神谷 明
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あ ら す じ    ボディガードや探偵を請け負う凄腕のスイーパー“シティーハンター”ことリョウは、相棒のカオリと日々様々な仕事を受けている。ある日、掲示板に書き込まれた“XYZ”宛の新しい依頼。その依頼人の男ドミニク・ルテリエからリョウと香は、仕事の話を聞く。それは、ルテリエの父が開発した、香を嗅いでしまった者を虜にする“キューピッドの香水”を悪の手から守ってほしい、という依頼だった。
 香水の効果を信用しないリョウは、香に香水を吹きかける。香が効果を試すため歩き出した瞬間、現場を爆風が襲う。リョウが一瞬の出来事に気をとられた隙に、“キューピッドの香水”はバイクに乗った男に奪われてしまう。かも、奪い去った男の裏にいたのは、リョウの旧友であり元傭兵のファルコンだった。  香水が悪の手に渡ってしまったら世界は大変なことになる。タイムリミットは香水の解毒剤が効かなくなる48時間以内。リョウと香は、香水を嗅いで香の虜になった帽子の男・パンチョ、セレブ好きの男・ジルベール・スキッピー、リョウと香の兄・ヒデユキの共通の友人で美人刑事のサエコを巻き込んだ、シティーハンターの香水奪回作戦がはじまる・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    あの名作・シティーハンターを、日本でも試みられたことがないのに、あのおフランスで実写映画化した作品。日本では、神谷明以外の声ではおそらく違和感ありありだし、かと言って敢えて声だけ吹き替えるというのもおかしいからか、実写映画化されていないのだろう。ちなみに、随分以前にジャッキー・チェン主演でやはり『シティーハンター』というタイトルの作品が制作されたが、あれは違和感とかいうレベル以前でハッキリ言って論外なので、このサイトにも掲載していない。
 冴羽リョウを演じているのはフィリップ・ラショーという俳優(?)で、この人がメガホンも執っているから、正直俳優が監督も兼ねたのか、監督が自ら主演したのかは謎。そしておそらくは、海外の俳優が冴羽リョウを演じるとすれば、三本の指に入る適役じゃないかと思う。それほど違和感を覚えることがなかった・・・・・が・・・・もう一人の主役とも言える香役のエロディ・フォンタンという女優さんが・・・・・ちょっと歳を食い過ぎているうえに、全然可愛くなくて、ナゼ彼女がキャスティングされたのか、他にふさわしい女優がいなかったのか、改善の余地は大ありだ。主要キャストはその他に、海坊主ことファルコンや、野上冴子も登場しているが、海坊主役の俳優カメル・ゴンフーが意外とマッチしていた気がする。
 地元のシネコンでは字幕版の上映がなかったため、日本語吹替版を選ばざるを得なかった。そこで問題なのが誰が吹替を担当しているかなのだが、この作品でも誰の声の吹替を行っているかはわからないが、吹替のメンバーに名を連ねているにもかかわらず、肝心のリョウの声が神谷明じゃなかったのには不満が残る。73歳という決して若いとは言えない年齢だから、もう声優としてリョウの声を吹き替えるのには無理があるのかも知れないが、彼の場合は同時に『北斗の拳』のケンシロウでもあるから、両者が神谷明でなくなったとしたら、ファンとして悲しい限りだ。香役の伊倉一恵も同様だけど、他の主要キャストはほぼアニメ版と同じ声優のようだ。
 フランスにもアニメ版『シティーハンター』の熱狂的なファンは多いようで(でなきゃ、実写版映画を制作なんてしないだろう)、フリップ・ラショーもその一人だそうだ。そんな土壌で公開されたこの作品、本国では概ね好意的に受け入れられているとのこと。特にリョウのもっこり・ギャグや香のハンマーをはじめとする小ネタなど、アニメの世界観を気にする向きはフランスでも多かったようだが、その点に不満を感じさせない出来で安心して観ることができた。日本で実写映画化しても、おそらくこの作品以上のものができるかどうか疑問だと思う、それほど『シティーハンター』としての完成度は高い。
 原題が“NICKY LARSON ET LE PARFUM DE CUPIDON(=ニッキー・ラーソンと天使の香水)”だから、リョウのフランス名がニッキー・ラーソンで、香はローラ・マルコーニのようだ。そして、邦題の副題“史上最香のミッション”の“最高”が“最香”になっているのは、てっきり牧村香を巡るストーリーなのかと思っていたのだが、どうやら香水がテーマになっているためだと判明。その香水に、世界平和を脅かす秘密でも隠されているのかと思いきや、実は単なる惚れ薬だったとはちょっと拍子抜けしたのは事実だけど。