評     価  

 
       
File No. 3132  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年12月06日  
       
製  作  国   イギリス  
       
監      督   ポール・フェイグ  
       
上 映 時 間   103分  
       
公開時コピー   クリスマスに
奇跡が起きる
 

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   エミリア・クラーク [as ケイト]
ヘンリー・ゴールディング [as トム]
ミシェル・ヨー [as サンタ]
エマ・トンプソン [as ペトラ]
マディソン・インゴールズビー [as 若き日のケイト]
リディア・レオナルド [as マルタ]
マキシム・バルドリー [as エド]
ルーシー・ミラー [as 若き日のマルタ]
 
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あ ら す じ    ロンドンのクリスマスショップで働くケイトは、キラキラしたお店で妖精の恰好をして頑張っているが、その努力とは真逆で生活も乱れがちで仕事にも身が入らない。そんなある時、不思議な青年トムと出会ったケイトは、彼に自分の抱えている問題を見抜かれてしまう。そしてトムはその問題の解決へと、いつもケイトを導いていってくれるのだった。
 ケイトは、歌手を希望していて、オーディションを受けていたのだが、オーディションに失敗してしまう。落ち込んだ彼女の元に再びトムが現れる。彼と楽しくロンドンの夜を散歩したケイトだったが、店の鍵をかけ忘れ、店が泥棒に入られてしまうのだった。
 ケイトは、彼女が“サンタ”と呼んでいる店のオーナーにも愛想をつかされ、さらにアパートでは同居人に追い出され、仕方なく生活の苦しい両親の元に戻るのだった。そんな傷心のケイトは、自転車でホームレス避難所に通い、そこでボランティアをしているトムとより時間を過ごすようになる。そこで、ケイトはあることに気づく。トムはふとするといなくなり、ホームレスのシェルターでも誰も彼のことを知らないことを。
 ある日、トムはケイトを彼のアパートに連れて行く。その時、ケイトはトムに1年前に重い病気で心臓移植を受けたことを打ち明け、それ以来、自分が半分死んでいる気がして、歌手としての才能にも自信がなくなったことを話す。トムにそのことを打ち明け、トムと深い仲になろうとするケイトだったが、トムはそれを拒否する。なかなかトムとの距離を縮めることができずにやきもきするケイトだったのだが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ワム!の同名ヒット曲をモチーフに描かれた作品、という程度の予備知識だけで軽い気持ちで臨んだ作品だったのだが・・・・・上映が始まり、主演がエミリア・クラークと知って俄然興味が湧いてきた。エミリアと言えば、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で有名らしいが、海外ドラマを観ない私にとっては、『ターミネーター 新起動』のサラ・コナーであり、『世界一キライなあなたに』のルイーザだ。
 『ターミネーター 新起動』では役柄上、あまり表情に変化がなかったが、『世界一キライなあなたに』のルイーザで表情が豊かな女優だと思った。そしてこの作品のケイトは、ルイーザを遥かに上回る様々な表情を見せてくれて、女性版ジム・キャリーか?と思うほどのラバーフェイスぶりだから、彼女の表情を観ているだけでも飽きなかった。
 その彼女、最初は居候先の友人の制作物(?)を壊して追い出され、勤務先の店では鍵をかけ忘れて泥棒に入られるなど、感情移入などまったくできない自分勝手なイタいビッチで、「これは、ハズレだったかなぁ」とちょっと後悔するハメに。ところが、トムと出会ってからの彼女は、それまでの自分を見つめ直して徐々に変わっていく、それが実にキュートに演じられていて、冒頭の気持ちはどこへやらで彼女を応援したくなるのを抑えられなくなっていった。
 これがハリウッドだと「軽妙なラブコメディ」で終わってしまうのだろうけど、そこはイギリス映画、Last Christmasの歌い出し“♪Last Christmas, I gave my heart”という歌詞をそのまま再現したという触れ込みに偽りなし。というか、“heart”が心じゃなくて心臓と解釈すると、あまりにそのまんまなストーリーには、逆に意表を突かれた感がある。なるほど、道理でトムは神出鬼没なうえにいつも知らない間にフェード・アウトしているわけだ。