評     価  

 
       
File No. 3135  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年12月06日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   山崎 貴  
       
上 映 時 間   93分  
       
公開時コピー   さぁ、はじめようぜ。  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   栗田 貫一 [as ルパン三世]
小林 清志 [as 次元大介]
浪川 大輔 [as 石川五右衛門]
沢城 みゆき [as 峰不二子]
山寺 宏一 [as 銭形警部]
広瀬 すず [as レティシア]
吉田 鋼太郎 [as ランベール]
藤原 竜也 [as ゲラルト]
 
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あ ら す じ    第二次大戦から十数年後。アルセーヌ・ルパンが盗み出すことに失敗したと言われる、ブレッソン教授が遺した伝説のお宝“ブレッソン・ダイアリー”。祖父の悲願を叶えるべく、“ブレッソン・ダイアリー”を狙いに来たルパン三世次元大介石川五右衛門、それをいつものように阻もうとする銭形警部。しかし、ブレッソン・ダイアリーを狙うのはルパン一味だけではなかった。警備員に扮した少女レティシアが祖父のランベールに命じられてお宝をまんまと盗み出す。けれども、ルパンとのつばぜり合いを繰り広げているところに現れた峰不二子に、ブレッソン・ダイアリーは奪われてしまう。
 不二子に盗みを依頼したのは、謎の組織を率いるゲラルトという男で、彼はヒトラーが生存しているという希望にすがり、ブレッソン・ダイアリーを利用して第三帝国の復活を目論んでいたのだ。そして、ランベールも裏でゲラルトと繋がっていたのだ。そのことを知ったレティシアは、ルパン一味と手を組んで、ゲラルトの元からブレッソン・ダイアリーを取り戻そうとする・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    ルパン三世をフルCG(残念ながら3Dではなく2Dで鑑賞)で描いた作品で、根底には40年前に制作された名作の『ルパン三世 カリオストロの城』へのオマージュが込められているように思える。レティシアとクラリスを一緒にするわけにはいかないが、ラストでルパンたちと行動を共にしようとするレティシアを振り切ったりするのは、クラリスがルパンと一緒に泥棒になるのを必死で引き離した、あの感動のラストを思い起こさせるし、ルパンと銭形が一旦停戦協定を結んで共通の敵と戦ったりとか、基本の設定は『カリオストロ』にダブるところが少なくない。
 だから、もしこれをCGではなく手描きのアニメにしたならば、「『カリオストロ』の劣化版だ」などといった揶揄をモロに被っていたかも知れない。その意味では、フルCGで目先を変えることを意図してなのかはわからないが、少なくとも小栗旬の実写版と比べればほとんど違和感のないこの作品、少なくとも失敗作ではないだろう。それにしても、ルパンの赤いジャケットが実はレザー製だったとは、その質感まで見事に表現されているCGはやはり凄いと言わざるを得ない。  1971年に産声を上げた『ルパン三世』も50年近くが経過し、当初から吹替を担当している声優は次元役の小林清志のみ。その小林清志ももはや次元らしい張りのある声は出ないようで、逆に違和感を感じてしまった。残念だけど、次元もそろそろ後進に道を譲るべき時が訪れたようだ。ちなみに私のお気に入りはやはりルパン=山田康雄、次元=往年の小林清志、五右衛門=大塚周夫、銭形=納谷悟朗、そして不二子は沢城みゆきでもなければ増山江威子でもなく、絶対に二階堂有希子(つまりはすべて旧TVシリーズのキャストってこと)だ。だから、ルパンのジャケットの色も新シリーズの赤じゃなくて、旧シリーズの水色であって欲しかった。
 気になっていたのは、銭形警部の声を誰が担当しているかという点。予告編で聞く限りは往年の納谷悟朗の声にしか聞こえなかったのだが、実際に映画を観てみても、そんなはずないとはわかっていてもやはり納谷悟朗だとしか思えない。だから、エンドクレジットで誰が吹替を担当しているのかが知りたくて溜まらなくなってしまった。『宇宙戦艦ヤマト』での古代進には違和感を感じたが、この作品で銭形警部の声をコピーしたプロの技には、ただただ感服するしかなかった。余談だけど、山寺宏一に沢城みゆき、それに浪川大輔の3人はおフランス版『シティーハンター』でも共演しているね。
 逆に残念だったのは、ヒロインのレティシアを演じた広瀬すず。彼女、演技は上手いと思うけど、声優としては可もなく不可もなくといった感じで、全く印象に残っていない。また、ゲラルト役の藤原竜也も、キャラクターの顔とは似ても似つかない本人の顔がちらついて仕方なかった。