評     価  

 
       
File No. 3139  
       
製作年 / 公開日   2019年 / 2019年12月13日  
       
製  作  国   日  本  
       
監      督   木村 ひさし  
       
上 映 時 間   120分  
       
公開時コピー   浮かび上がる15人の容疑者(クセもの)たち。犯人は何者?  

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最初に観たメディア  
Theater Television Video
 
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キ ャ ス ト   神木 隆之介 [as 葉村譲]
浜辺 美波 [as 剣崎比留子]
中村 倫也 [as 明智恭介]
葉山 奨之 [as 進藤歩]
矢本 悠馬 [as 重元充]
佐久間 由衣 [as 名張純江]
山田 杏奈 [as 静原美冬]
大関 れいか [as 下松孝子]
福本 莉子 [as 星川麗花]
塚地 武雅 [as 出目飛雄]
ふせえり [as 高木凛]
池田 鉄洋 [as 管野唯人]
古川 雄輝 [as 立浪波流也]
柄本 時生 [as 七宮兼光]
 
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あ ら す じ    メンバーが2人しかいない、神紅大学のミステリー愛好会に所属する探偵の明智恭介とその助手葉村譲は、学内の事件を推理する自称“ホームズ”と“ワトソン”だった。けれども葉村はミステリー小説のオタクにもかかわらず、今まで推理小説で犯人を当てたことがないという万年助手で、事件の匂いを嗅ぎつけては首を突っ込む明智に振り回される日々を送っていた。
 そんなある日、2人の前に剣崎比留子という謎の美人女子大生探偵が現れ、ロックフェス研究会の合宿への参加を持ちかける。部員宛に謎の脅迫状が届いたこと、前年の合宿の際に行方知れずとなった女子部員がいることから、今年の合宿でも何か起こると考えたためだった。
 3人が向かった先は、サークルのOB・七宮兼光が買い取った山奥に佇むペンション“紫湛荘”。そこにやはりOBの立浪波流也をはじめとする、ロックフェス研のメンバーたちが集結する。ところがその翌日、ロックフェスの会場で異変が発生し、メンバー一同は紫湛荘に立てこもるが・・・・・。
 
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たぴおか的コメント    この週末に最も期待していた作品だったけど・・・・・残念。舞台となるペンションの名前が“屍人荘”だなんて、そんな不吉な名前のペンションに泊まるヤツなんていないと思っていたら、実は“紫湛荘”が本当の名前のようだ。そして、そのペンションで密室殺人の謎を巡って、中村倫也扮する明智と浜辺美波扮する剣崎との推理対決となり、2人のホームズの間で右往左往する神木くん扮するワトソンこと葉村譲、そんな図式を思い浮かべていたのだが・・・・・そんな予想は序盤で見事にあっさりと崩れ去ってしまった。
 もちろん、主役格のあの人があまりに早い時点でお役御免になってしまったのも一因ではあるが、この作品の最大の敗因は思いも寄らない○○○が登場するディザスター・ムービーにしてしまったことで、その時点で私のこの映画に対する興味は完全に失せてしまった。これはそもそも原作がそういうストーリーだからで、映画製作側の功罪はこのような原作を映画化したことだ。そして、原作小説は私にとっては読むに足らない奇をてらっただけのものだと思う。“国内のミステリー・ランキングを総なめにして話題となったベストセラー”だそうだが、こんな小説がベストセラーになるとは世も末に思える。
 私は決して○○○ものがいけないと言うわけじゃなく、展開に緻密さが要求される謎解きに○○○を絡ませたのが間違いなのだ。そもそも○○○には意志もないから思うように操るようなこともできるはずがなく、それは偶発的な要素が増えることを意味するわけで、偶発的要素が増えれば増えるほどトリックが重要性をもつような密室殺人にとって妨げになる。もっとも、この事件の犯人の行動も実はは行き当たりばったり感に溢れていて、緻密な計画殺人とは縁遠いとは思う。
 神木隆之介の上手さと浜辺美波の可愛さ(とは言っても、彼女が最も可愛いと思ったのはやはり圧倒的に『Saki 咲』なんだけどね)、この2つのおかげで最後まで観ることができたものの、そうでなければ途中で寝るか、最悪退場していたかもしれない。3人の主役格だと思っていた中村倫也はあっという間にお役御免になってしまうし、葉山奨之や矢本悠馬、佐久間由衣、柄本時生、古川雄輝、塚地武雅らのキャラも全くの無駄遣いで、2016年の『テラフォーマーズ』を思い出してしまった。