評 価
File No.
3142
製作年 / 公開日
2019年 / 2019年12月20日
製 作 国
アメリカ
監 督
ジョー・バーリンジャー
上 映 時 間
109分
公開時コピー
極めて邪悪、
衝撃的に
凶悪で卑劣
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
ザック・エフロン
[as テッド・バンディ]
リリー・コリンズ
[as エリザベス・ケンドール]
カヤ・スコデラーリオ
[as キャロル・アン・ブーン]
ジェフリー・ドノヴァン
[as ユタ州被告弁護士ジョン・オコネル]
アンジェラ・サラフィアン
[as ジョナ]
ディラン・ベイカー
[as ユタ州検事デビッド・ヨコム]
ブライアン・ジェラティ
[as フロリダ公選弁護士ダン・ダウド]
ジム・パーソンズ
[as フロリダ検察官ラリー・シンプソン]
ジョン・マルコヴィッチ
[as エドワード・コワート判事]
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あ ら す じ
1969年、ワシントン州シアトル。
テッド・バンディ
とシングルマザーの
エリザベス・ケンドール
は、あるバーで出会い恋に落ちる。素晴らしい出逢いの一日から始まり、デッド、リズと彼女の幼い娘モリーの3人は、幸福を絵に描いたような家庭生活を築いていく。
しかしその運命は一変する。テッドが信号無視で警官に止められた際、車の後部座席に積んでいた道具袋を疑われて逮捕されてしまったのだ。マレーで起きた誘拐未遂事件の容疑だった。またその前年にも女性の誘拐事件が起きており、キング郡警察の発表によると、目撃された犯人らしき男の車はテッドの愛車と同じフォルクスワーゲン。新聞に公表された似顔絵は、テッドの顔によく似ていた。
突然の事態に混乱するリズ。テッドはすべてまったくの誤解だと説明するが、次第に、いくつもの事件の真相が明らかになっていく・・・・・。
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たぴおか的コメント
公開時コピーの“極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣”ってのは実は原題だったようだ。まるで『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のようなタイトルだが、この“極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣”という原題をそのまま邦題にした方がより興味をそそられる向きは多いんじゃないだろうか。まさか『テッド・バンディ』というタイトルからあのクマを連想してしまうという人はいないだろうけど、インパクトに欠けるのは事実だから。
久しぶりのザック・エフロンの主演作は、彼が製作総指揮にも名を連ねているから、かなり気合いが入っているのだろう。今までのイメージを覆すような、演技派俳優へと一皮むけたような熱演を見せてくれている。ただ、観る側としての個人的な意見を言わせてもらえば、物足りなさを感じてしまったのも事実。それは、この作品の中ではデッド・バンディの弁護士としての優秀さ、そして、リリー・コリンズ扮する恋人・リズへの愛情といういわゆる“まとも”な側面だけが描かれているために、その裏に潜む邪悪な側面を観ることができなかったという点だ。これは実話だから、彼が相当人数の女性を殺害したシリアルキラーであることは疑う余地がない。けれども、もしもこれがフィクションだとしたら、「彼は果たして凶悪犯なのか?それとも冤罪だったのか?」という疑問を残す作品になっていただろう・・・・・というか、事実今でも彼の本性がどうだったのか、半信半疑なのだ。
なんて思っていたら、実はそういう描き方を敢えて意図して作ったようで、つまりは製作者側の思惑にまんまと乗せられたということになる。リズと向き合っているテッドからは、シリアルキラーとして側面などは微塵も感じ取れない。それどころか、リズにとってはまさに理想のパートナーであったわけで、それもおそらく彼の持つ一つの側面なのだろう。そんな二面性を巧みに使い分けているあたりからも、彼の頭の良さを知ることができる。惜しまれるのは、そういう頭のいい奴に限って得てして倫理観や道徳観が欠如しているという点だろう。
実はこの作品を観ることにした最大の理由はザック・エフロンではなくて、リズ役のリリー・コリンズ見たさだったりする(笑)。飲酒はともかく、この作品では彼女の喫煙シーンもありちょっとショックを受けたが、彼女の年齢が今年30歳だなんてことは夢にも思わなかった。そして、もうひとりの女性キャラ、キャロル役の女優がどこかで見たことがあるのは間違いないが、眼鏡で誰だか判別がつかず気になっていた。エンド・クレジットを観て、『メイズ・ランナー』でテレサを演じていた女優だったすぐ気がついたけど。