評 価
File No.
3191
製作年 / 公開日
2019年 / 2020年03月06日
製 作 国
アメリカ
監 督
ルパート・グルード
上 映 時 間
118分
公開時コピー
スポットライトの中、愛を求めて
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最初に観たメディア
Theater
Television
Video
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キ ャ ス ト
レネー・ゼルウィガー
[as ジュディ・ガーランド]
ジェシー・バックリー
[as ロザリン・ワイルダー]
フィン・ウィットロック
[as ミッキー・ディーンズ]
ルーファス・シーウェル
[as シド・ラフト]
マイケル・ガンボン
[as バーナード・デルフォント]
リチャード・コーディ
[as ルイ・B・メイヤー]
ロイス・ピアソン
[as バート・ローズ]
ダーシー・ショウ
[as 若き日のジュディ]
アンディ・ナイマン
[as ダン]
ダニエル・セルケイラ
[as スタン]
ベラ・ラムジー
[as ローナ・ルフト]
ルウィン・ロイド
[as ジョーイ・ルフト]
トム・デュラント・プリチャード
[as ケン・フリッシュ]
ジョン・ダグリッシュ
[as ロニー・ドネガン]
エイドリアン・ルキス
[as Dr.ハーグリーブス]
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あ ら す じ
1939年。ミュージカル映画『オズの魔法使』の主人公ドロシー役に抜擢された17歳の
ジュディ・ガーランド
は、思うような演技ができないのと、すべての行動を管理される現状に不満を覚えていた。そんな彼女に、映画の製作会社MGMのトップである
ルイス・B・メイヤー
は、「君よりも美人で可愛い子はたくさんいる。でも、君が他の子より優れているのは歌声だ」、「この撮影スタジオを出たら、平凡な女性となって普通の母親になってしまう」といった言葉をかけるのだった。
1968年。47歳のジュディは、幼い2人の子ども
ローナ
と
ジョーイ
と一緒に、小さなクラブを巡業する日々を送っていた。この日も、全盛期とは比較にならないほどの安いギャラを受け取り、宿泊先のホテルに戻ったジュディたちだったが、宿泊代を払っていないと支配人に追い出されてしまうのだった。
やむなく3番目の夫だった
シド・ラフト
の家に行くが、そこで2人の子どもの親権をめぐり口論となり、ジュディ一人だけ飛び出してしまう。そしてジュディは、2番目の夫ヴィンセント・ミネリとの間に生まれた娘のライザ・ミネリがいるパーティ会場に向かうと、そこでナイトクラブのオーナーをしているという青年
ミッキー・ディーンズ
と出会い、意気投合するのだった。
数日後、ジュディの元に、ロンドンの著名な興行主
バーナード・デルフォント
から、彼が経営するクラブ“トーク・オブ・タウン”でのライブショーへの出演依頼が入る。ハリウッドでは長らく低迷状態だったものの、ロンドンでは根強い人気があったのだ。ジュディは、借金の返済と生活費を稼いで自分の家を持つことを目標に、子どもたちをシドに預けて単身ロンドンに向かうのだったが・・・・・。
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たぴおか的コメント
『オズの魔法使(1939年)』で一躍脚光を浴び、47歳の若さでこの世を去ったジュディ・ガーランドの晩年を描いた作品。ちなみに、作品中では語られなかったが、死因は睡眠薬の過剰摂取ということらしい。10代で一気にスターダムにのし上がったのはいいが、それが果たして彼女にとって幸せだったのか。やりたいことも他にたくさんあっただろうけど、すでに自分の自由になる時間などなく、それが10代の少女にとってはさぞかし苦痛だったと思う。スレンダー体型を維持するための極端な食事制限を強いられたり、眠らずに働けるように薬漬けにされたりと、様々なハラスメントを受けていたらしく、たとえどのような栄光や名声を得る代償だったとしても、そんな生活が10代の少女にとって幸せだったとは断じて思えない。
なんていう話は、上映鑑賞後にオフィシャルサイトを見て知ったことで、事前にそんなエピソードを知らずに鑑賞して、しかも作品で描かれているのはジュディのまさに晩年のロンドン公演がほとんどだったために、ただ過去の栄光にすがって生きるだけの落ちぶれた女性の末路としか受け取れなかったのは残念だ。だが、『オズの魔法使』は私が生まれるン十年も昔だし、ジュディ・ガーランドと言われてもピンと来ない世代の観客にとって、今ひとつノリ切れない作品だったのは仕方ないだろう。
ジュディを演じてアカデミー主演女優賞に輝いたのは、正直私はあまり好きなタイプの女優ではなかった、あの『ブリジット・ジョーンズの日記』のレネー・ゼルウィガー。もともとぽっちゃり目の彼女、この作品のためかどうかは知らないが、随分とウエイトを絞ったようだ。そのためにやたらとシワが目立ち、彼女の実年齢は撮影当時49歳でほぼジュディと同年齢だったにもかかわらず、私には60代半ばのオバアチャンが無理矢理若作りをしてアラフィフのジュディを演じてるようにしか見えなかった。しかも、顔がアップになるシーンが少なくなくて、正直スクリーンを観ているのがツラくもあった。まだぽっちゃり気味だったころは可愛らしさも残っていたのだが、この作品ではそんな彼女の唯一の魅力も失っていて、そのために実はあまり積極的にこの作品を観たいとは思えなかったのだ。
彼女、演技は下手じゃないと思うのだが、この作品ではやたらとオーバーアクションが目立ち、そのためにやたらと“演技してる”オーラが発散されているように感じる。唯一救いだったのは、彼女の歌唱力は本物らしく、目を閉じて聴いている(顔を見てしまうと残念だが幻滅してしまうから)と、その歌声には心を動かされるものがある。その反動か、ジェシー・バックリー扮するジュディのマネージャー、ロザリン・ワイルダーにばかりやたらと目が行ってしまった。