評     価    
   
File No.   3525  
   
製作年 / 公開日   2022年 / 2022年03月12日  
   
製  作  国   日  本  
   
監      督   大九 明子  
   
上 映 時 間   117分  
 
公開時コピー   クセ者ぞろいの結婚式、一体どうなる!?  
キ ャ ス ト   篠原 涼子 [as 中越真帆]
中村 倫也 [as 石川彰人]
関水 渚 [as 新田遥]
岩田 剛典 [as 八代裕也]
中尾 明慶 [as 相馬慎治]
浅利 陽介 [as 真壁宗介]
前野 朋哉 [as 倉田大輔]
泉澤 祐希 [as 滝本直樹]
佐藤 晴美 [as 山下沙和]
宮尾 俊太郎 [as 村木武史]
六角 精児 [as 新田大造]
尾美 としのり [as 石川紀夫]
池田 鉄洋 [as 石川充]
臼田 あさ美 [as 加藤友梨]
片桐 はいり [as 樋口良子]
久保田 磨希 [as 豊島瞳]
中川 大輔 [as 松波浩司]
伊勢 志摩 [as 日下部郁美]
八木 将康 [as 黒田洋一]
川野 直輝 [as 桜田誠]
山田 佳奈実 [as 池田里奈]
おくつ ようこ [as 石井七海]
大森 つばさ [as 近藤彩香]
皆川 猿時 [as 井上司朗]
向井 理 [as 澤田紀昭]
高橋 克実 [as 財津俊彦]
 
あ ら す じ    結婚式、それは新郎新婦にとって人生最大のイベントだ。そして、「Noと言わない」敏腕ウエディング・プランナーの中越真帆にプロデュースされて、幸せな死期を迎えるはずだった、新郎・石川彰人と新婦・
 滞りなく式を挙げ、いよいよ迎えた披露宴だったが、そこで来賓のスピーチから暴走が始まってしまう。この日のために、受けを狙って練りに練ったスピーチを披露した彰人の上司財津俊彦が大いに会場を盛り上げたのが幸か不幸か、これに対抗意識を燃やした遥の上司井上司朗のスピーチ、そして自分の腕の見せ所と披露された彰人の後輩相馬慎治の映像作品やらで、後には別の披露宴が入っている状況にもかかわらず、既に1時間押しという状況に陥ってしまう。
 中越はある奇策を講じて、無事時間の遅れを取り戻したものの、会場の外ではご祝儀泥棒の澤田紀昭と、映画の『卒業』よろしく遥を取り戻そうと訪れた元カレの八代裕也による捕り物劇が繰り広げられていた・・・・・。
 
たぴおか的コメント    脚本がバカリズムだと知った時から、おおよその見当は付いていたが、その予想を上回る酷い出来だった。『架空OL日記』のような作品なら下らない小ネタの羅列でも良かったのだろう。また、『地獄の花園』の場合は、登場するキャラクターの強烈さに圧倒されて粗も隠れてしまって気にならなかった。けれども、このような作品こそ脚本家の力が必要とされるわけで、その意味からするとバカリズムの才能の浅さをまざまざと見せつけられたように思える。
 まずは、余分な描写が多すぎる。その最たるものは、披露宴には全く関係ない裏で繰り広げられた、岩田剛典演じる新婦の元カレ・八代裕也と向井理演じる澤田紀昭のドタバタ劇で、あたかもそれが披露宴以上に重要な出来事であるかのように見せつけられるのは苦痛でしかなかった。さらには、そんなただ笑いを取るだけの下らないドタバタ劇のための前置きである、八代とその友人による温泉旅行の描写などは不要、というか観ていて不愉快にさえなる。同様に、高橋克実演じる新郎の上司・財津や皆川猿時演じる新婦の上司・井上らのエピソードもいらない。そうやって内臓脂肪のような不要な部分をすべて削ってしまうと、おそらく尺は30分程度に収まってしまうだろう。この作品はそれほど内容がないのだ。そして、それを隠すために余計な小ネタをちりばめて、というよりも、むしろ小ネタがメインであるかのように構成されているのがこの作品なのだ。だから、全く面白く思えることがなく、かといって小ネタで笑えることもなく、見終わってしまえば何も残らない。そして、時間が経てばおそらくすべて忘れ去ってしまうだろう、それほど内容が薄い作品だった。
 さすがに観る前はここまで酷い作品だとは思わなかったが、知っていたら無料でも観るだけ時間の無駄だと断言したい。篠原涼子が主演だけに、もう少し彼女の見せ場はあって然るべきだ。と言うか、それがこの作品のクライマックスであるべきで、彼女が全く絡まない岩ちゃんと向井理のドタバタ劇じゃないはず。大九明子監督作は結構好きなのだが、この作品のメガホンを執らされた彼女がお気の毒でで仕方がない。