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ネット上のマナー 『ネチケット』について


 

「ネチケット」という言葉を聞いたことがありますか?
 ネチケットというのはネットとエチケットを合わせた造語で、意味は文字通りネット上で守るべきマナーのようなものです。

 自分一人の世界であれば、自分の好き勝手にふるまうこともできます。けれども、複数の人間が集まる社会においては、誰もが好き勝手に行動したのでは収拾がつかなくなってしまいます。 ですから、ネット上にも守らなければならないルールやマナーがそんざいします。そして、その最も根本にある概念は「他人に迷惑をかけない」ということでしょう。

 もちろん、ネット上のエチケットには色々ありますが、ここでは特にメールに関するエチケットについて取り上げてみます。


 メールをやり取りする際に最も注意しなければならないのは、「メールには原則としてHTML形式は使わない」という点だと思います。このマナーについては、「HTML形式のメール」をキーワードでサーチエンジンで検索すれば、相当な件数がヒットすると思います。つまり、それだけ多くの人たちがHTML形式のメールに対する警告を発していると言えるのだと思います。

 HTMLとは、Hyper Text Markup Languageの頭文字をとったもので、Webページを記述するための言語のことです。当然の事ながら、このページもHTMLを使って作成されています。通常のメールは文字の大きさを変えたり、色を付けたりといった装飾は一切できません。しかし、HTML形式のメールを利用すると、Webページと同様の装飾が可能になるわけです。

 下の2つのメールは、上がテキスト形式、下がHTML形式のメールです。

 

 
≪A≫通常のテキスト形式のメール

≪B≫HTML(リッチ テキスト)形式のメール

 


 HTML形式のメールならば色も使えるし画像も貼り付けることができますから、見栄えも当然良くなります。しかし、どんな物事にも長所があれば短所もあるもので、HTML形式のメールにも欠点があるのです。そして、その欠点ゆえにネチケット上ではHTML形式のメールは使わない方がいいとされているのです。


 HTML形式のメールの欠点を箇条書きにしてみると、

(1) メールソフトによっては、HTML形式のメールを読み取ることができない
こと。
(2) HTML形式のメールにウイルスを潜ませて送ることが可能であること。
(3) HTML形式のメールは、テキスト形式に比べて容量が大きくなること。
(4) 上記3つの理由から、HTML形式のメールを拒否するユーザーが少なく
ないこと。

といった ところになるでしょうか。私個人の意見としては、親しい相手へのメールでない限り上記の危険を冒してまでHTML形式のメールを送るメリットはないと思います。では、上の欠点について説明をしておきましょう。
 


(1)メールソフトによっては、HTML形式のメールを読み取ることができない
 下の図を見比べてみてください。私が使っているメールソフトはBecky!というソフトですが、下の2つの図は同じHTML形式のメールをBecky!で受け取った場合とマイクロソフトのOutlookで受け取った場合の比較です。

 

 
≪A≫Becky!で受信したHTML形式のメール

≪B≫Microsoft Outlookで受信したHTML形式のメール

  


同じメールであるにもかかわらず、表示される結果は全く異なりますね。送信者側は、当然相手にも上記の図≪B≫のように表示されてメールが届くことを意図してHTML形式でメールを送るのですが、Becky!だと上の図≪A≫の通り、 強制的にテキスト形式に変換されてしまい、送信者の意図は全くの無駄になってしまうのです。

(2)HTML形式のメールにウイルスを潜ませて送ることが可能であること
 
これは深刻な問題です。「OutlookやOutlook Expressでプレビューしただけでもウイルスに感染する」などという話を聞いたことがありませんか?HTMLを形式のメールをプレビュー表示させるということは、メールに書かれているHTML言語を読み取ることなのです。そして、HTMLの記述には「スクリプト」と呼ばれる小さなプログラムを埋め込むことができ、このスクリプトを利用して悪意のあるウイルスをメールに忍ばせることが可能なため、メールをプレビューしただけでウイルスに感染する恐れがあるのです。

(3) HTML形式のメールは、テキスト形式に比べて容量が大きくなること
 
これについては、上のOutlookで送られてきたメールのコードを見てみましょう。上のメールを右クリックして ソースを表示してみると、下のようなコードが表示されました(スペースの無駄遣いとも思ったのですが、いかにコードが膨大かをアピールするために、敢えて全文を掲載しました)。

<html xmlns:v="urn:schemas-microsoft-com:vml" xmlns:o="urn:schemas-microsoft-com:office:office" xmlns:w="urn:schemas-microsoft-com:office:word" xmlns="http://www.w3.org/TR/REC-html40">

<head>
<meta http-equiv=Content-Type content="text/html; charset=iso-2022-jp">
<meta name=Generator content="Microsoft Word 11 (filtered medium)">
<!--[if !mso]>
<style>
v\:* {behavior:url(#default#VML);}
o\:* {behavior:url(#default#VML);}
w\:* {behavior:url(#default#VML);}
.shape {behavior:url(#default#VML);}
</style>
<![endif]-->
<style>
<!--
/* Font Definitions */
@font-face
{font-family:" $B#M#S (B $BL@D+ (B";
panose-1:2 2 6 9 4 2 5 8 3 4;}
@font-face
{font-family:" $B#M#S (B $B%4%7%C%/ (B";
panose-1:2 11 6 9 7 2 5 8 2 4;}
@font-face
{font-family:Century;
panose-1:2 4 6 4 5 5 5 2 3 4;}
@font-face
{font-family:"\@ $B#M#S (B $B%4%7%C%/ (B";
panose-1:2 11 6 9 7 2 5 8 2 4;}
@font-face
{font-family:"\@ $B#M#S (B $BL@D+ (B";
panose-1:2 2 6 9 4 2 5 8 3 4;}
/* Style Definitions */
p.MsoNormal, li.MsoNormal, div.MsoNormal
{margin:0mm;
margin-bottom:.0001pt;
text-align:justify;
text-justify:inter-ideograph;
font-size:10.5pt;
font-family:Century;}
a:link, span.MsoHyperlink
{color:blue;
text-decoration:underline;}
a:visited, span.MsoHyperlinkFollowed
{color:purple;
text-decoration:underline;}
p.MsoPlainText, li.MsoPlainText, div.MsoPlainText
{margin:0mm;
margin-bottom:.0001pt;
font-size:10.0pt;
font-family:" $B#M#S (B $B%4%7%C%/ (B";}
/* Page Definitions */
@page Section1
{size:595.3pt 841.9pt;
margin:99.25pt 107.65pt 30.0mm 107.65pt;
layout-grid:18.0pt;}
div.Section1
{page:Section1;}
-->
</style>
<!--[if gte mso 9]><xml>
<o:shapedefaults v:ext="edit" spidmax="1026">
<v:textbox inset="5.85pt,.7pt,5.85pt,.7pt" />
</o:shapedefaults></xml><![endif]--><!--[if gte mso 9]><xml>
<o:shapelayout v:ext="edit">
<o:idmap v:ext="edit" data="1" />
</o:shapelayout></xml><![endif]-->
</head>

<body bgcolor="#CCFFFF" background="cid:image002.jpg@01C4982E.986CC800"
lang=JA link=blue vlink=purple style='text-justify-trim:punctuation'>
<img src="cid:image002.jpg@01C4982E.986CC800"
v:src="cid:image002.jpg@01C4982E.986CC800" v:shapes="_x0000_Mail" width=0
height=0 class=shape style='display:none;width:0;height:0'>

<div class=Section1 style='layout-grid:18.0pt'>

<p class=MsoPlainText><font size=2 face=" $B#M#S (B $B%4%7%C%/ (B"><span style='font-size:10.0pt'> $B#H#T#M#L7A<0$N%a!<%k$G$O!" (B<span
lang=EN-US><o:p></o:p></span></span></font></p>

<p class=MsoPlainText><font size=2 face=" $B#M#S (B $B%4%7%C%/ (B"><span style='font-size:10.0pt'> $B$3$N$h$&$KGX7J$K2hA|$r;HMQ$7$?$j!" (B<span
lang=EN-US><o:p></o:p></span></span></font></p>

<p class=MsoPlainText><font size=2 face=" $B#M#S (B $B%4%7%C%/ (B"><span lang=EN-US
style='font-size:10.0pt'><img width=37 height=38 id="_x0000_i1027"
src="cid:image003.gif@01C4982E.986CC800"></span> $B"+$3$s$JIw$K2hA|$rE=$jIU$1$?$j!" (B<span
lang=EN-US><o:p></o:p></span></font></p>

<p class=MsoPlainText><b><font size=3 color=blue face=" $B#M#S (B $B%4%7%C%/ (B"><span
style='font-size:12.0pt;color:blue;font-weight:bold'> $B$3$s$J (B</span></font></b><font
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style='font-size:20.0pt;color:red'> $B%U%)%s%H (B</span></font><font color=black><span
style='color:black'> $B$rJQ$($?$j$9$k$3$H$,$G$-$^$9!# (B<span lang=EN-US><o:p></o:p></span></span></font></p>
</div>
</body>
</html>

 テキスト形式のメールだと、全角文字が全部で70文字しか送られて来ないのに対して、HTML形式だと実に膨大な量のコードが記述されていることがわかりますね。
 現在ではネット接続はブロードバンドの常時接続が主流ですが、ダイヤルアップ接続をしているユーザーも無視できません。彼らにとっては、HTML形式のメールを受信 すると通常のメールよりも受信するのに時間がかかり、それだけ接続料金も余計にかかってしまうのです。
 また、常時接続のブロードバンドユーザーにとっても、HTML形式のメールは表示されるまでにタイムラグがあり、それを不愉快に感じる人もいることを忘れてはいけません。 さらには、トラフィックをいたずらに増大させることにもなりかねません。
 繰り返しますが、マナーとは「相手に迷惑をかけない」という考え方が最も基本になるのですから、迷惑に当たる恐れがある行為はすべきではありません。

(4)HTML形式のメールを拒否するユーザーが少なくないこと
 
(1)〜(3)のような理由から、HTML形式のメールを見もせずに捨てたり、あるいは自動的にHTML形式のメールはごみ箱へ捨てられるような設定を行っている人がいるという点です。 そういう人に対してHTML形式のメールを送るということは、嫌がらせ以外の何物でもありませんし、せっかく送ったメールが読まれることなく捨てられてしまうことに もなるのです。


 以上のような理由から、HTMLメールはネット上のマナーでは「避けるべき物」とされています。もっとも、HTML形式のメールは全面的に使ってはいけないわけではありません。相手が初めてメールを送る相手でないこと、相手がHTML形式のメールを読める環境にあること、加えて、相手がHTML形式のメールを了解してくれていること、 つまりは、相手が親しい間柄の人間であるならば、HTML形式のメールを使ってより効果的なコミュニケーションを図ることには、何の問題もありません。


 ところが、ここでひとつ問題があります。メールに対する詳しい知識がない場合、自分でも知らずにHTML形式のメールを送ってしまう可能性があることです。おそらくは、数あるメールソフトのうちで最も利用者数が多いのは、マイクロソフトのOutlookまたはOutlook Expressだと思われますが、この両ソフト共にメール形式の初期設定がHTML形式になっているのです。

 私は、前述の通り相手によってはHTML形式のメールもいいとは思いますし、実際に自分もHTML形式のメールを送っているのですが、やはりメールの原則はテキスト形式であるべきだと思います。 従って、メール形式の既定値はテキスト形式にしておいて、必要な場合だけHTML形式に切り替えるようにするのが好ましいと思うのです。

 では、初期設定のHTML形式をどうやったらテキスト形式に変更できるのか?その方法を簡単に説明します。


≪Outlookの設定変更≫

1)メニューバーから「ツール(T)」−>「オプション(O)」を選択します。

 

2)開かれたオプションのダイアログのタブから「メール形式」タブを選択します。

 

3)「メッセージ形式」にあるプルダウンボックスを開きます。「HTML形式」「リッチ テキスト形式」「テキスト形式」という3つの形式がありますが、上の2つがHTML形式のメールになるので、ここから「テキスト形式」を選択します。

 

4)最後にダイアログ右下の適用ボタンをクリックしてからOKボタンをクリックすれば設定完了。

 

5)試しに「新規作成(N)」ボタンをクリックしてみてください。メールフォームの「メッセージ形式」ウインドウが下図のようにテキスト形式になっているはずです。

 


≪Outlook Expressの設定変更≫


1)メニューバーから「ツール(T)」−>「オプション(O)」を選択します。

 

2)開かれたオプションのダイアログのタブから「送信」タブを選択します。

 

3)「メール送信の形式」の初期値がHTML形式(H)になっているので、これをテキスト形式(P)をクリックして変更します。

 

4)あとは、Outlookと同様に「適用ボタン」「OKボタン」をクリックすれば、設定は完了です。確認は、やはり「メールの作成」ボタンをクリックして、新規のメールフォームを表示してみます。もしもHTML形式なら、次の図のように
 1.「書式(O)」メニューをクリックすると、「リッチテ キスト」にチェックが付き、
 2.メールフォームには書式バーが表示されているのですが、

 

これをテキスト形式に変えたならば、次の図の通り
 1.「書式(O)」メニューをクリックすると、「テキスト形式」にチェックが付き、
 2.メールフォームから書式バーがなくなっているはずです。

 


 以上、メールのマナーについて簡単に説明しましたが、ここで説明したことはあくまでも「必要条件」であって、決して「十分条件」ではありません。他にも、丸付きの文字やローマ数字()などの機種依存文字や半角カタカナは 、環境によって文字化けするので使うべきではありません(ちなみに、上の行の括弧内の黒文字の部分は、直接文字を書いたのではなく画像ファイルに変換してあるので、文字化けする心配はありません)

 そして、繰り返しになりますが、最も大切なのは「どうすれば相手に迷惑になるのか」を常に考えて、そうならないように行動するということです。常に相手の立場を考えて行動する、これはWeb上に限らず現実の社会においても必要不可欠な心がけだと思います。

2004.09.12 たぴおか

 

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